海外EC調査部

韓国のご近所アプリ Karrotマーケット(タングンマーケット)

海外EC調査部2022-02-15

会社概要

karrotマーケットのロゴ

2021.03: 主利用者数1000万人、月利用者数1500万人、累積加入者2000万人
2021.02: 日本進出
2020.11: マンハッタンでベータテスト開始
2020.09: 月間ユーザー数1000万人
2019.12: Googleプレイ今年のベストアプリ大賞
2019.11: KARROTという名前でイギリス 進出
2019.09: アルトスベンチャーズ、グッドウォーターキャピタル、ソフトバンクベンチャーズ、カカオベンチャーズ、キャップストーンパートナーズ、ストロングベンチャーズから400億ウォンのシリーズCラウンド投資誘致
2019.05: 累積ダウンロード600万、月間訪問者数250万人
2018.01: 加入者数100万人達成、地域の広告主のための広告主センターオープン
2016.12: (株)エヌ四十二から(株)にんじんマーケットに社名変更
2015.07: (株)エヌ四十二が設立、会社員基盤の「パンキョ市場」アプリ開発

(引用:https://platum.kr/archives/148249 を日本語訳したもの)

KARROTマーケットは2021年9月基準、月間アクティブユーザー(MAU)が1,500万名を超え、ユニコーン企業(企業価値1,000万円以上のスタートアップ)になりました。
韓国名は당근(タングン)――日本語で言うにんじんのことです。
その名の通り、ロゴもにんじんデザインです。

サービスについて

中古品をユーザー同士で売買できるアプリです。
近隣地域のユーザー間での取引により、地域社会活性化を目指しています。
業者や企業からは出品購入できないようにしており、AIで業者や企業を判別し、見つけた場合には非公開処置を行うなどの対応がされています。
個人事業主は広告費を払う事で、自店舗の宣伝広告も出せます。

取引の方法

取引方法は簡単です。
ユーザーは位置情報を元に自分の居住地を認証する手続きを経て、入会手続きを行います。
GPSで自分の位置を認証し欲しい物を検索して、出品者と値段などの交渉、現地に受け取りに行くだけです。
自分がいる町を基準に、半径6km以内の「お隣同士」で中古取引することができ、アプリ内のチャットで取引を行います。 地域外の場合には、その地域に住んでいる人に代行してもらい受け取りを行う場合もあります。

KARROTの地域社会活性化の狙い通り、中古品の取引だけでなく、特技・趣味・知識などのスキル販売(日本で言うココナラサービスのようなもの)や急に助けが必要な時も使われるなど、アプリ開発目標に沿ったサービスが展開されています。

また、マナーを点数化(マナー温度)し、相手のマナーや取引の態度を間接的に確認することが出来ます。
またゲームのクエストのように、何日間ログインする、初の取引成功などのクエストがあり、達成するとタイトルが獲得できます。
この獲得タイトルが、取引の相手の信頼度としても表示されます。

デメリット

GPSを基準としたサービス展開のため、自分の居住地域のみでしか利用できません。
そのため、利用地域は限定的で、必然的に取引できる物の種類や数量には限界があります。

成功の要因

当初の目標である「地域コミュニティ活性化」を念頭に置いたサービス展開、成功の理由だと思います。
中古品の取扱いだけではなく、スキルの販売、急に助けが必要な際、KARROTマーケットを通じて解決するなど、社会が求める需要に答えています。
またKARROTの特徴は、利用者が買取者と同時に販売者となることです。
その割合は93%ほどで、ほとんどの利用者が販売と買取を行っているということになります。

日本での反応

2021年2月から日本でもサービスを開始しています。

KARROTの展望

機能、サービス面で不足している部分は多々ありますが、中古取引プラットフォームとしては代替候補もないという点で、有望だと思われます。(KARROTマーケット以前のプラットフォームは詐欺や業者が多く、信頼性に乏しいサービスが多かったため)
ニンジンマンという新しいサービスも始める予定で、販売者から物を受け取り、購入者が受け取ることでニンジンマーケット自体から配達機能まで果たせば、利用者はさらに増える見込みです。

韓国のリユース市場

昨年韓国の国内の中古品の市場の規模は2兆円、2022年は前年比で20%増え、2.4兆円に至ると予想されています。
在韓国は経済が停滞気味な事もあり、その影響で今後も中古品市場は活性化し取引は増えると思います。

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