海外EC調査部

東南アジアマーケットで圧倒的な存在感 LAZADA(ラザダ)

海外EC調査部2022-05-30

LAZADA(ラザダ)は、シンガポールに拠点を持つ東南アジア市場向けの越境ECプラットフォームです。
シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンの東南アジアの広いマーケットをカバーしており、月間アクティブユーザーは一億人を超えています。
2012年にロケット・インターネットによって設立され、現在は中国のアリババグループが経営権を持っています。
四半期連続でユーザーからの注文も倍増し、東南アジアでは最も知名度の高いECサイトに成長しました。

東南アジアマーケットにおけるLAZADAの存在感

近年、東南アジア諸国におけるECマーケットは着実に拡大しています。

パンデミックが発生した当初、ロックダウンにより外出が制限され、あらゆるショッピングのオンライン需要が爆発的に増加しました。
この影響により、企業も店舗での販売からオンラインへと急速にシフトしていきました。

フィリピンでは、需要の高い冷凍食品やインスタント食品を扱う1万社もの企業が、ECサイトを通じて販売を行うようになりました。

またタイでは、先着2,000店舗に販売手数料0円キャンペーンなどを打ち出し、中小企業の8割がECマーケットを利用するまでに成長しました。

そしてベトナムでは、生鮮食品・肉類・魚介類を注文から自宅までの配達を2時間で完了させるシステムを作り、地元の中小企業のECサイト利用を促進しています。

このようにLAZADAは、東南アジアECサイトのリーディングカンパニーとして、コロナ禍において中小企業がECサイトを利用する流れを作り、業績を上げています。

LAZADAの想定するターゲット層・売れ筋商品は?

LAZADAでの取り扱いカテゴリは、食品や飲料・サプリ・化粧品・ファッション・ペット用品・家電・レジャー用品など多岐にわたっています。
珍しいところでは、航空券予約や配車といったサービスも行っています。

またターゲット層については30代の若い年齢層で、教育や経済水準も標準より高め、自分よりも家族のために消費するという比較的裕福な人物像を想定しています。
このターゲット層は、東南アジアにおけるAmazon利用者とほぼ同じです。
オンラインショピングへの抵抗感が無く、値段よりも確かな品質を重視する傾向も見られます。

LAZADAのセール

LAZADAでは毎月多くのセールが実施されています。
国単位でのセールも多くありますが、やはり注目は6ヶ国全ての共通セールである9.9ビッグセール、11.11ビッグセール、12.12ビッグセールなどです。
セールタイトルそのまま、月のゾロ目日に開催されます。
11.11と言えば中国の「独身の日」、アリババグループのダブルイレブンが有名ですが、LAZADAにおいても年間を通して流通額が大幅に伸びる時期です。
過去には11.11にちなんで1億1,110万枚の割引クーポンを発行するイベントも行われています。

人気の商品

同じ東南アジアでも、全く同じものが売れているというわけではなく、地域によりバラつきもあります。
また土地柄、1年を通して夏の暑さと突然の雨(スコール)対策が必要になります。
そのため、UV対策用のアイテムや雨具、暑さ対策家電などの需要が高いのも特徴です
さらに、キャンプ用品やeスポーツ関連商品の売れ行きが好調なのも、若い世代の新しい傾向と言えるでしょう。

日本から出店は?

LAZADAは日本からの出店ができます。
日本法人もあるため、出店のためのアカウント申請も完全日本語対応で解説がされています。

LAZADAのアカウント申請サイトはこちら。
※セラー登録は英語が必要なので注意

登録条件は、法人であること、日本または香港から発送ができることの2点です。
場合によっては個人事業主でも応相談のようです。

LAZADAの展望

東南アジアは経済発展を続けており、先進国入りを目指している国もあります。
人口の平均年齢が20代という若さで、子どもを持つ若者世代が増えておりマタニティ・ベビー市場も拡大しています。
消費の中心となる世代はECが非常に身近なデジタルファーストであり、そう言った傾向は市場として大きな魅力です。
加えて、中国ユーザーからのアクセスが期待できるところも抑えておきたいポイントです。

今後はLAZADAアプリの活用で、デジタルネイティブ世代のユーザーを更に獲得していくことになるでしょう。
アリババグループの傘下にあることで物流インフラが整い、越境ECサイトでの配送や支払方法がスムーズになった事も追い風となり、成長が見込めます。

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