世界最大級のスーパーマーケットWalmart、日本セラーを積極的に誘致
海外EC調査部2023-04-06
Walmartと言えば、販売事業者のみならず日本の消費者にも知名度の高い、世界最大のスーパーマーケットです。過去には日本のスーパーマーケットチェーンである西友とも提携しており、Walmart実店舗を知らずとも、提携当時の西友店舗でアメリカンナイズされた超大型スーパーマーケットを体感した人は多いかと思います。
そんなWalmartですが、EC事業も近年急速に売上を伸ばしており、ついに日本セラーの出店も可能となりました。本記事では、出品可能なカテゴリや手数料、セラーに関わる提供サービスについて紹介していきます。
Walmartは“遅れてきた巨人”となるか
Walmartは米国ECマーケットシェア2位、2022年のEC収益は750億ドル(約8兆2500億円)に達し、コロナ禍以降も着実に売上を伸ばしています。米国・カナダ・メキシコにサービス提供をしており、実店舗との連携モデルは特に米国で人気を博しています。とは言え、1位に君臨するAmazonの背中は遠く、WalmartのECサービスは未だ発展途上です。
その分、日本の大手企業や既に特定ジャンルで米国マーケットで成功している事業者もまだ未参入の場合が多く、登録から販路開拓に平等にチャンスがあるのは間違いありません。アメリカ国内のインフレにより、Walmartの利用者層も低中所得者から高所得者まで広く浸透し始めており、EC事業売上アップを後押ししています。
Walmartの有料会員向けサブスクサービス
Walmartには、所謂アマゾンプライムのような有料のメンバーシップサービスもあります。送料無料サービス、生鮮食品の無料配達(最低注文額35米$から)、ガソリン代の割引、映画やスポーツ番組などのストリーミングなどが月額12.95ドル、年間費では98ドルで利用可能です。アマゾンプライムが現在年間費139ドルと考えると、かなり低く抑えられています。
出店は米国に拠点がなくともOKに
Walmartの出店申請は、ネット上で行うことができます。手続きで必要な情報は事業所の住所、メールアドレス、電話番号、定款の原本証明、企業の公共料金請求書または銀行取引明細書などです。過去には米国に拠点を置く企業という条件も求められていましたが、現在は日本のみに拠点を置く企業でも申込みができるようになりました。
ただし、Walmartでは米国における他ECでの運用経験も条件として必須です。米国ECの運営経験が審査では重視されており、AmazonやeBayの場合、海外向けに店舗を展開・販売をしていれば認定される確率が高くなります。出店申請の際には、証明として店舗の管理画面などのスクリーンショットとURLを提出し、それを元にWalmartの審査チームが運用状況を確認します。
また日本を拠点としたサポートセンターは設立されておらず、アジアの拠点を中国本土に置いています。現状日本語サポートはされていないため、Walmart.comへ店舗立ち上げに際しては英語に堪能な担当者が必要と考えるべきでしょう。
Amazon、eBayでは日本語のサポートや管理画面に際してもある程度の日本語対応がされていますが、Walmartにはそういった補助はありません。また先述の通り、EC運用経験も出店条件として求められているため、初めて海外へ進出するという事業者には難易度は高めです。販売手数料はアパレル&アクセサリー、食品類、おもちゃホビーなどは15%、カテゴリ別に見ても概ね8%〜15%の間で設定されています。またアパレルカテゴリのみ中古品の出品が可能です。ブランド衣料品、バッグ、腕時計や宝石装飾品は真贋証明を行い出品となります。
アジア発セラーの参入歴は浅く、中古品の販売もサービス開始から間もないため、既に米国へ向けて越境販売を行っている事業者においては参入チャンスと言えます。米国での販路を広げたい、より広い年齢層、所得者層へアプローチしたい場合には、検討してみてはいかがでしょうか。