海外リユース探訪記

【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.16】アジア編ーベトナム

海外リユース探訪記2023-10-04

看板のない「闇」取引の中古時計屋を探し求めて

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今回の旅でもっとも手こずったのは、「Thumua dong ho Rolex Saigon」というリユース時計屋です。なにしろこのお店、場所がまったくわからない!正確にいえば「ここにある」という情報は事前に把握していたのですが、いざその場所へ向かってもそれらしき店が何もないんです…。いったいどういうことだ?と同じところをグルグルと、傍からみればまるで不審者だったでしょう。

表向きはバー営業 その理由とは…?

そんなこんなで日が暮れて雨も振り出した頃、ようやく目当てのお店を見つけました。なんとこの時計屋、表向きはバーとして営業を行っており、予約を受けたときだけプライベートで取引を行う「闇」な形式だったんです。そりゃ、見つからないのもしょうがありません。

案の定、このバー兼時計屋さんはとってもディープな雰囲気でした。年季の入った皮カバンからキラキラ輝くROLEXやOMEGA等の高級時計が目の前にジャラジャラと並べられ、客である我々が自分たちの眼を頼りに自力で「鑑定」を行うことになります。とはいえ、万が一の事や不良品であった場合に備え、1年間の保証もついてくるとのこと。

仕入れ先を聞くと、主に日本やアメリカとのことで、海外に住んでいるチームの協力を得ているようです。ドルでのやりとりだったので、現地の人々は買いにこないのではないかと気になりましたが、返ってきた答えは「both(両方)」でした。なぜこのような販売方法をとっているかというと、どうやら「政府」や「関税」が絡む問題のようです…。こういったディープな取引場所を訪れたのは、良い経験となりました。

参入障壁が高い分 魅力的な市場

ベトナムは良くも悪くもまだまだ雑多な雰囲気。偽ブランドに対する取り組みの甘さや輸入規制の厳しさなど、越境ECを行うにあたっての問題も見られます。越境ECに関して知識や経験が不足している状態では少々手が出しづらい市場であることは確かです。

しかし逆にいえば、参入のハードルが高い分、競争相手が少なく、大規模なシェアを獲得しやすい市場だということでもあります。そういった点から、ベトナムはチャレンジしがいのある越境リユースのフロンティアだと感じました。

日本やアメリカから仕入れたブランド時計

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