コラム

【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.29】中東編 ー エジプト

コラム海外リユース探訪記2024-04-23

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砂とピラミッドの国・エジプト。エジプトと日本とはあまり縁がないように感じる方もおられるかもしれませんが、国家間では親密な関係を築いています。

したたかなエジプト商人とピラミッドの観光資産価値は圧倒

ラクダ業者との交渉の末にたどり着いたピラミッド

日本はエジプトに対して1950年代よりODA(政府開発援助)を継続的に実施しており、小児外来診療施設や消防車両の整備、その他貧困農民の支援や食糧増産の援助等、さまざまなプロジェクトを行っています。

そのためか、照明とジュエリーの光がまぶしいハン・ハリーリ市場を歩いていると「コンニチワ」「オツカレサマデース」「ヤマモトヤマ(海苔?)」「ヤクザ(!?)」などさまざまな日本語で呼び止められます。遠く離れた外国でこういった声のかけ方をされると、思わず親しみを感じてしまいます。

しかしながら、ここで心を許しすぎてはいけません。エジプトの商人は、したたかで押しが非常に強いのです。

ピラミッド観光はビジネスの宝庫

かくいう私もピラミッド観光での「交渉」には参ってしまいました。

ラクダに乗せてもらいピラミッド近くまで砂漠を行く定番コースは、交渉上手な人々の狙い目。ガイドを名乗る現地人から「10ドルで乗せてあげるよ」と甘い言葉で誘われ、大変面倒なことになりました。「公認」の腕章を身に着けていたので安心したのが甘かった!

どんどん変な方向に歩いて行って「おや?ピラミッドからだいぶ離れた場所まで歩いていくぞ」と気がついたときには既に時遅し。「さっきの料金じゃここまで。ピラミッドの近くまで行きたければもう30ドル払ってくれ」と吹っかけられました。

ピラミッド観光を終えると、今度は出発地点に戻ったところで元締めらしき人物が現れ、「ラクダの運賃はもらったけどまだガイド料はもらってないよ!」という不意打ち!長年リユース業界にいるなかで、さまざまな交渉経験がありますが、今回ばかりは「勘弁してくれよ!」とヘトヘトになってしまいました。

ピラミッド周辺では、大小さまざまなビジネスが毎日のように展開されており、ピラミッド目当ての観光客が訪れる限り、需要もたっぷり存在し続けるわけです。すごく俗な言い方をすれば「歴史は金になる」といったところでしょうか。

もっとも、先人からしてみれば、自分たちの権力を示すために築き上げたものが、後世でお金儲けに活用されるなんて予想だにしなかったでしょうが…。

皆さんもピラミッド観光の際はご注意を。相手はかなりやり手です!

ハン・ハリーリ市場。「ヤマモトヤマ」は長年の謎

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