close

お知らせ

【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.59 インド編3

お知らせコラム海外リユース探訪記2025-07-12

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。

これまでの連載はこちらをご覧ください>>

インドで日本のリユースビジネスが最も価値を発揮できる領域。それは技術的な信頼に基づいたブランド価値の再構築だ。

若者の価値観の変化に連動
“技術信頼”の輸出価値が上昇

若者カルチャーの象徴 スニーカー

「SNEAKING OUT」で商品をみるお客の様子

ハイブランドが富裕層の象徴なら、スニーカーはインドの”若き中間層”が個性を表現する最もホットなアイテムだ。

スニーカーの展示・販売イベント「SNEAKING OUT」では、DJが鳴り響く空間に、限定モデルやカスタムスニーカー、ストリートウェアを扱うブースがずらりと並ぶ。

会場はナイキの”トラヴィス・スコットコラボ”や、アディダスの”Yeezy Boost”を履いた若者たちで埋め尽くされていた。驚いたのは、10〜20代の若者たちが、200〜300ドル相当のスニーカーを何足も所有しており、それを売ったり交換したりしているという事実だ。現地の若者たちは「”履くために買う”のではなく、”投資として買う”意識も広がって」おり、「リセール前提での購入は当たり前になりつつあります」と言う。

この構造は、日本のスニーカーマーケットとも似ているが、インドのユニークさはそのスピードと拡散力だ。SNSの発信がきっかけで、Z世代を中心に「誰かが履いたものでも、自分らしくスタイリングする」というリユース的価値観も芽生えた。

この流れは、いずれ”リユース=劣化品”という誤解を覆し、「リユース=サステナブルな行動」という新たな文化へと昇華するだろう。

技術信頼が売れる時代に

高級ブランド品の人気上昇と同時に偽物の流通も問題視されている。

中古ブランド品高級時計ECサイト「Ziniosa」の若き女性創業者は、インド国内での高級品再流通に課題を感じ、越境EC型のリユースショップを立ち上げたと語った。サイトでは、タグ・ホイヤーやオメガ、ロレックスといったブランド時計が数十点掲載されていた。「多くの商品は、日本の事業者と連携して調達しています。信頼できる真贋・状態情報があれば、顧客は安心して購入してくれます」という。

ECサイト構築、越境物流、在庫管理、真贋チェック、顧客対応-これらの要素を一気通貫で支援できれば、日本企業の役割は非常に大きい。また、このようなパートナー企業と連携し、インド現地法人を通じて少量多頻度で商品を届けるスキームは、インドの「制度と文化の両方の壁を乗り越えるモデル」になると感じた。

真贋鑑定AIアプリを提供するEntrupyのインド支社でも、担当者のラフルさんから「日本の中古品はインドでも人気があります。ただし、”ホンモノ”であることが証明されれば、という条件付きで」というお話を聞いた。

インド支社では2024年から「24時間サポート体制」に切り替えた。これは、スニーカー文化の拡大とともに、夜間や週末にもリアルタイム鑑定が求められるようになったためだという。

2社との対話で見えてきたのは、インドでも「価格」だけでなく「信用」を重視する層が確実に拡大しているという現実だ。「信頼に基づいた商品と仕組み」こそが日本のリユース業界が誇る最大の輸出資源となる。

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中

SEARCH

ARCHIVES