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【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.66 フィンランド編2

お知らせコラム海外リユース探訪記2025-10-25

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、
弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。

これまでの連載はこちらをご覧ください>>フィンランドではリユース品の売買が日常に浸透しています。

ノーブランド品の需要高
委託販売や寄付が主流の独自文化

寄付仕入れでも
豊かな品揃え

「Fida Roba」のアパレル売り場。すべて寄付で集まった品物

「Fida Roba」は、品ぞろえをすべて寄付で賄い、売り上げを寄付しているチャリティーショップです。フィンランドでは古着等を処分する際、買取りよりも委託販売や寄付がポピュラーなのだそうです。品ぞろえは他の国と比べてかなりバラエティー豊かであり、寄付という方法に対するフィンランドの人々の意識の高さがうかがえます。

電化製品の類を多く取り扱っていたのが「Kierrätyskeskus」。ヘルシンキ内だけでも9店舗を展開。EC販売も行う大手のチャリティーショップです。パソコンの周辺機器やオーディオ関連の機器が主で、なじみのあるものではヤマハのアンプ等も販売されていました。

フィンランド独自の傾向として、高級ブランドに対する需要がそこまで大きくありません。いわゆるミドルランク的なブランドの品はそれなりに見かけるのですが、たとえばルイ・ヴィトンやエルメスといったハイブランドはあまり扱われていませんでした。その理由として、合理的なものを好む気質が関係しており、どちらかといえばお金のかからないノーブランド品を買いたがる、と現地に住む日本の方が教えてくれました。

高級ブランド品を扱っているお店も、もちろんあります。「Hetzukoto」は、日本から取り寄せた高級ブランドバッグやポーチ等を販売、買取も実施しています。真贋鑑定アプリ「entrupy」を利用しており信頼性は高いです。

巨大フリマで
現地ブランドを仕入れ

「ヘルシンキアイスホール」はウィンタースポーツの会場として利用される巨大な施設。この会場で催されるフリーマーケットは、会場の大きさに負けず劣らず参加者も出品数も多数です。

特に注目したいのが、マリメッコやヨハンナ・グリクセン、アラビアといったフィンランド発ブランド。これらはデザイン性や機能性が高く、日本にも多くファンがいます。こうした品を日本の代理店や海外ECサイトで購入すると高くつきますが、直接現地へ赴いて、こういったフリーマーケットで購入できれば、かなり価格を抑えた上で仕入れることができるでしょう(国際送料を考慮するならば、一度にたくさん仕入れた方がさらにお得です)。実際、日本へこれらのブランドを輸出販売しているという方に出会いました。日本の北欧雑貨ファンを対象として、海を越えたリユースビジネスを営んでいるそうです。

最近は店舗だけでなく、フリマアプリやECサイトを活用したオンラインでのリユース品取引も盛んです。ヨーロッパで主流のフリマアプリ「Vinted」や、フィンランド発のジモティーに似たシステムの「Tori」、オンラインマーケットプレイス「HUUTO」等々、さまざまなサービスが利用されています。これからオンラインサービスを活用するリユースショップも増えていくかもしれません。

ヘルシンキアイスホール。普段はアイスホッケーやフィギュアスケートの会場として利用されている

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中

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