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【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.67 フィンランド編3

お知らせコラム海外リユース探訪記2025-11-14

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、
弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。

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ヘルシンキにはユニークなリユース店が多くあります。例えば、「Old Times」はいかにもな佇まいで、呼び鈴を押さなければ入店できません。180ユーロもするヴィンテージグラス、キャンドルシザース、ヴィンテージマッチ箱等々、まさに骨董品といった品々ばかり。古いものだと150年前のものもあるそうです。高値を出してこういった商品を購入するのはどういった層なのでしょうか、すごく気になります。
特に個性が光っていたお店をひとつひとつ紹介していきます。

商材特化店が生き残る市場
個性が光るリユース店紹介

専門商材に特化
アパレルショップ

夏らしいブルーと観葉植物で明るい雰囲気の「minibuffet」

「Kaartinen & Kuusela」は、ヴィンテージスーツの専門店です。オーダーメイドやサイジングも受け付けています。リユーススーツを販売するお店は日本にもありますが、専門店というのは珍しいのではないでしょうか。

ちょうどオープン記念のレセプションパーティが開催されており、老若男女問わず多くの人で賑わっていました。飲み物片手にお祝いするお客さんたちに混じって商品を物色してみましたが、なかなかの質の良さです。ぜひとも繁盛してほしいお店ですね。

「minibuffet」という子ども服専門のリユースショップもあります。夏の砂浜のような明るいデザインと、棚に並ぶたくさんのおもちゃが用意されており、保護者に連れられた子どもが身構えてしまわないような工夫がされています。

このお店では工夫を凝らした委託販売制度が導入されています。商品の持ち込みは1年につき12回だけ可能で、場所代は無料。商品が売れた場合、店側はその半分を利用料として受け取ります。一定期間が経っても売れなかった場合、利用者はそのまま販売を継続するか、あるいは商品をお店に寄付するかを選べるようになっています。買い替えサイクルの早い子ども服を無理なく処分できる、利用者にとってやさしい仕組みではないでしょうか。

意外な需要を発見
着物アップサイクル

「Ansa Second Hand」は、着物を再利用したアップサイクル品をたくさん販売しており、和柄の洋服や財布はなかなかオシャレで、ウケがよさそうに思えました。EC販売にも着手すればさらに売り上げを伸ばせそうです。

着物といえば、「SomaOma」というお店でもアップサイクルのコートやジャケットが売られていました。「中国から布を仕入れて自分で製作した」という人から買い取ったのだそうです。こういった商品が複数のお店で販売されているところをみると、フィンランドの人々はアジアの伝統衣装的なデザインが好きなのかもしれませんね。

スーツ専門店や子ども服専門店、アップサイクル中心のお店等々。こういった個性的なリユースビジネスのお店がたくさん存在するのは、フィンランドのリユース市場にそれでも十分な利益を維持し続けられる余地があるという証ともいえるでしょう。

「SomaOma」店内。ラック後列に着物のリメイク品がかけられている

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中

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