【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.78 ブラジル連邦共和国3
クーボンの海外リユース探訪記 作成 2026-04-30

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、
弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。
ブラジルの通貨「レアル」について、ひょっとすると円よりも安いといった印象をお持ちではないでしょうか。実は逆で、レアルの方が高めです。ブラジルを探訪した2024年2月時点の相場は「1レアル=30円」であり、買い物にもなかなか苦労しました。
自国産業守る厳格な輸入税
価格差が生み出す輸出の商機
中古品輸入に高い壁
自国産業守る規制網

「Brechó Closet de Luxo」のオフィス。予約してくる来店客のため商品を陳列している
高級ブランド品等も割高な製品が多く見られたのですが、特にインパクトが強かったのは電気製品やデジタル端末の類です。たとえば、サンパウロ市内でも有名なショッピングモール「JK Iguatemi Shopping」内のショップでは、アイフォーン15promax256GBモデルが1万レアル(約30万円)と、日本の1.5倍もの価格となっていました。
ブラジルでは輸入関税が高く設定されており、たとえば「CIF価格」が3000ドル以下の場合、60%の課税が発生します。さらに、輸入した商品をブラジル州内外および国内で流通させると、およそ15~30%程度の「商品流通サービス税(ICMS)」の支払い義務も発生します。
ブラジルでの越境リユースビジネスを難しくしているもっとも大きな要因は、政府による輸入規制です。ブラジル国内では自国産業保護等の観点から、多くの中古品に対して規制がかけられています。特に、90年代初期には中古車をはじめ中古消費財は明確に禁止されていました。
現在では、規制はやや緩和されたものの、輸入にあたってはインボイスへの詳細項目記載や事前許可申請等の煩雑な手続きが求められ、衣類や靴を除くほぼすべての中古品が課税対象となります。ブラジルへ進出する場合、これが高い壁となりそうです。
そのため、同じ製品であったとしても日本より価格がかなり高くなっているということも少なからずあるのです。ブラジルでの旅行や越境ビジネスの際には、この点について十分注意しておかなければなりません。
日本はブランド産地
仕入れ拠点として注目
高級ブランド品を専門的に取り扱っているECサイト「Brechó Closet de Luxo」のオフィスも訪問しました。オフィス内には世界的に有名な高級ブランドのリユース品や新品が並んでおり、ブランド好きがこの光景を見たらクラクラしてきそうなほど。ここでは予約制で対面式の売買や委託販売も行っており、サンパウロ周辺のお店の中ではトップ3の人気だそうです。
ここで販売されている商品の価格はかなり高め。ものによっては日本価格の倍以上が設定されていますが、それでもよく売れているそうです。
ちなみに、現在の経済状況において、日本は高級ブランド品が世界的に見て安価に取引できるようになっています。「日本はブランド品の産地」といってもよい状態であり、リユースビジネスの仕入れ場所としても各国の業者から注目されています。
ブラジルは大きなチャンスも眠っている場所です。物価が高く、日本の文化や商品に好意的で強い関心のある人々が多いので、人々のニーズを絶妙に突いたビジネスを展開できれば、ライバルの少ない状況で大きな利益を継続的に獲得できるようになるでしょう。

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユース業界で20年以上のキャリアを持つ。前職の古着店にて、EC黎明期から中古品販売のノウハウを蓄積し、楽天市場「中古部門」の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。「海外×リユース×テクノロジー」を軸に、クラウドシステム『ワサビスイッチ』等の開発を展開。日本企業の海外販売(越境EC)を支援し、テクノロジーでリユース市場を世界へ拡大させている。




