【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.80 中華人民共和国(広州編)1
クーボンの海外リユース探訪記 作成 2026-06-02

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、
弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。
探訪の舞台は、中華人民共和国の南東、マカオや香港に近い場所に位置している「広州」と呼ばれるエリアです。
巨大貿易都市の広州
常識を覆すリペア事業

リペア用の作業台。リペア待ちのブランド品がたくさん置かれている
広州市は「広東料理」で有名な広東省の首都でもあり、南シナ海沿岸圏に属しているという立地的なアドバンテージから、中国国内では古来より貿易都市として発展し、現在でも北京や上海に次ぐ大都市として、貿易のみならず金融やIT、化学に観光等、あらゆるう産業が盛んな地域とされています。
高級ブランド品の
型破りな再生ビジネス
今回のお目当ては高級ブランド製品のリペア企業です。何年も使い古され、キズや剥がれによってボロボロになった有名ブランドのバッグ等を新品と同じような状態に直してくれるというのです。事務所を訪問させていただいたところ、中にはグッチやルイ・ヴィトン等の誰もが知るブランドバッグが、リペア用の作業台にたくさん置かれていました。そこに加えて、作業台の周辺や近くの棚には、おそらく補修のために用いるのであろう、ベルトや革等の「パーツ」の類が多数保管されていました。
事務所ではリペア予定のブランド品の工程表、リペア前と後をそれぞれ撮影した写真等を見せてもらえました。劣化したブランドバッグをリペアしていく工程・仕上がりがなかなかすごいんです。
これがほぼ「別物」になっているのです。色や柄が少々違うといったレベルではなく、ものによってはブランド的な特徴を除けばまったく異なる商品に変わっており、リペアどころか「リメイク」、あるいは「改造」なのでは?と思えるほどです。
別物に生まれ変わる
驚愕のビフォーアフター
特に面白いのが、修理後の状態が二通りもあること。修理を依頼すると、修理後のおすすめの型のイメージ案と見積もりが作成されます。要は「修理した後はどっちかの形に変わるけどどうする?」といった選択肢が生まれるのです。写真(下)のように、元のバッグとリペア後のバッグのかたちを見比べるとよく分かりますが、どちらも修理前にはあまり似ていないというのがいろいろな意味でビックリです。
2023年の中国探訪時にも高級ブランド品のリペアを行っている業者を見ましたし、日本でも同様のサービスを提供しているところはありますが、ほぼ別ものに作り替えるというのは衝撃的です。
一応、こちらの企業では大がかりなリペアのみならず、簡単なクリーニングも受注しているとのことですが、前後の写真を見比べると汚れ等がほぼ無くなって、かなりきれいな状態になっています。というよりも、クリーニングと言いながら、ボディを丸ごと交換しているように見えました。ほぼ新品に交換してもらっているといってもよいかもしれません。かくいう私もお気に入りのエルメスの財布をクリーニングしてもらったのですが、見違えるほどきれいになりました。
次号でも引き続き中国のリペア事業について紹介します。

リペア後のイメージ案と見積もり。パーツごとの洗浄や寸法などの情報がまとめられている

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユース業界で20年以上のキャリアを持つ。前職の古着店にて、EC黎明期から中古品販売のノウハウを蓄積し、楽天市場「中古部門」の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。「海外×リユース×テクノロジー」を軸に、クラウドシステム『ワサビスイッチ』等の開発を展開。日本企業の海外販売(越境EC)を支援し、テクノロジーでリユース市場を世界へ拡大させている。




