リユース・越境 コラム

【2026年最新版】リユース販売の利益率を改善するには?計算方法と見るべき数字をわかりやすく解説

リユース・越境 コラムリユース・越境 現場ガイド 作成 2026-08-10

これからリユース販売を始める方や、始めたばかりの方の中には、

「売上は伸びているのに利益が残らない」
「利益率はどのように計算すればいいのだろう」
「何を見直せば利益率を改善できるのだろう」

と感じている方もいるのではないでしょうか。

リユース販売において、売上や販売件数は確認しやすい数字ですが、実際には、送料や梱包資材、人件費、モール手数料、在庫保管コストなどが積み重なり、想像以上に利益が圧迫されているケースもあるため、単に売上を伸ばすだけでなく、利益率を把握しながら運営することが大切です。

本記事では、リユース販売における利益率の計算方法や見るべき指標、利益率改善のための考え方についてわかりやすく解説します。

なぜリユース販売は利益が残りにくいのか

売上と利益は同じではない

リユース販売において、「売上は伸びているのにお金が増えない」と感じる理由は、会計上の粗利だけでは見えない費用が存在するからです。

手元に入ってくる売上金額がそのまま利益になるわけではなく、仕入れた商品が売れた際に発生する「売上原価」以外にも、商品を販売するために必要なさまざまな経費がかかっており、事業を継続していくためには、売上規模だけでなく、最終的に手元にいくら残るのかという利益の視点を持っておくと判断しやすくなります。

リユース販売は見えにくいコストが多い

リユース事業は、新品の販売と比べて商品化までの工程が多いという特徴があり、仕入れや買取の金額には意識が向きやすいものの、それ以外にも多くの費用が隠れています。

たとえば、商品の査定から始まり、クリーニング、ほつれ直し、データ消去、メンテナンスといった作業が発生します。

※出典:J-Net21「古着店」
※出典:J-Net21「中古パソコンショップ」

これらは商品が売れた後に発生するコストではなく、売る前から利益を圧迫する要因となっている点を認識しておくことが大切です。

利益改善は値上げだけではない

利益を残そうと考えたとき、真っ先に思い浮かぶのは商品の「値上げ」かもしれませんが、単純に販売価格を上げるだけが改善策とは限らず、とくにECモールなどのプラットフォームでは、類似商品が多く価格競争に陥りやすい傾向があります。

※出典:ジェトロ「越境ECハンドブック」

利益を改善するための本質は、見落としているコストを洗い出し、数字を見る時間を確保することにあります。

まず理解したい利益に関する基本指標

利益の構造を把握するためには、会計上の基本的な用語を理解しておくことが第一歩となります。

※出典:中小企業庁「「損益計算書」って、何ですか?」

売上高

商品やサービスの提供によって得た収入の合計で、事業の主たる営業活動から発生するベースとなる金額であり、すべての利益計算の出発点となります。

売上総利益(粗利)

売上高から売上原価を差し引いた金額を指し、いわゆる「粗利(あらり)」と呼ばれるもので、商品の売買そのものがどれだけの利益を生み出したかを見るための指標です。

営業利益

売上総利益から、販売費及び一般管理費(販管費)を差し引いた利益で、販売に関わる送料や梱包資材、広告費、スタッフの人件費、店舗や事務所の家賃など、本業を回すための経費を引いた後の金額となり、事業が本来の営業活動から得た利益を示しています。

経常利益

営業利益に、本来の営業活動以外で発生した「営業外収益」を足して、「営業外費用」を引いた利益で、受取利息などが収益となり、支払利息などが費用に該当し、財務面も含めた、通常の事業活動全体から生み出された利益を表します。

純利益

経常利益や特別利益などから、法人税等の税金を最終的に差し引いて残る利益で、実務においては「税引後利益」や「当期純利益」と呼ばれることも多く、最終的な手残りとなる金額を示します。

リユース販売で見落としやすい費用

たとえば売価10,000円の商品でも、買取原価や送料、梱包資材、人件費、手数料を差し引くと、実際に残る利益は大きく変わりますが、ここでは、利益を圧迫しやすい主なコストを整理します。

送料と梱包資材

物流にかかる費用は、利益に直接的な影響を与え、たとえば、商品を発送するための段ボール箱や緩衝材といった梱包資材の購入費用が発生します。

※出典:日本郵便「ゆうパック包装用品」

低単価な商品であっても、配送費と梱包資材だけで数百円から千円を超えるコストがかかるケースも珍しくあるため、売価に関係なく発生する固定的なコストとして、しっかりと見積もっておくと安心です。

人件費と作業コスト

中古品を取り扱う性質上、商品の状態を整えるための作業が欠かせません。

・ アイロンがけやクリーニング
・ 傷やほつれの修繕
・ パソコンやスマートフォンのデータ消去

これらの検品や修繕にかかる作業時間は、すべて人件費というコストに換算されるため、商品ごとにどれくらいの作業工数がかかっているかを意識することが大切です。

モール手数料と決済手数料

ECモールに出品して販売する場合、利用するプラットフォームごとに手数料の構造が異なります。

メルカリShopsの場合売上金の10%が販売手数料としてかかり、売上金の振込時には1回につき200円の振込手数料が発生します。

※出典:メルカリShops「メルカリShopsの手数料」

独自ECサイトの場合:モールの販売手数料はかかりませんが、クレジットカードなどのオンライン決済を利用するための決済手数料(例:3.6%など)を負担することになるため、販売経路ごとにどのような手数料がかかるのかを把握しておきましょう。

返品対応コスト

中古品は、購入者との間で商品の状態に関する認識のズレが起きやすい商材であるため、返品が発生した際の対応コストも事前に見込んでおくと安心であり、商品の返送料の負担や、代わりの商品を配送する費用などが発生し、返品率が少し上がるだけでも利益率が崩れる原因となります。

在庫保管コスト

商品を買い取ってから売れるまでの間、商品を保管しておくための費用で、店舗のスペースや倉庫の家賃はもちろん、在庫を管理するための労力も含まれます。

また、在庫が売れずに長期間滞留していると、買い取りに使った資金が回収できず、結果として資金繰りが苦しくなる要因にもなります。

※出典:J-Net21「過剰在庫を見直す」 https://j-net21.smrj.go.jp/solution/handbook/finance/stock.html

越境ECではさらに確認したい費用がある

海外の顧客に向けて商品を販売する越境ECでは、国内販売とは異なる追加コストが発生します。

国際送料

国をまたぐ配送となるため、国際送料は国内の物流費よりもはるかに高額になり、重量やサイズ、配送先の国、利用する配送会社によって料金に大きな差が出るため、事前に配送料金の相場を調べておくことをおすすめします。

為替変動コスト

海外との取引では、為替レートの変動による影響を受け、販売時のレートと、実際に資金を受け取って日本円に換算する際のレートに差が生じることで、利益が目減りするリスクがあります。

外部要因でコントロールが難しい要素であるため、一定の変動幅を考慮した価格設定を検討してみてください。

関税・VAT対応

商品を輸出入する際には、各国の規制に応じた関税や税金の対応が必要で、たとえばEU(欧州連合)では、2021年7月以降、少額商品の輸入における付加価値税(VAT)の免除が廃止されたことにより、少額であっても原則としてVATの申告や納税の手続きが事業者に求められるようになっています。

※出典:ジェトロ「越境EC販売におけるVAT:EU・英国向け輸出」

英国向けでも、取引金額の条件によってVATの対応方法が変わるなど、販売先の税制を正しく理解する手間がかかります。

海外決済サービスの手数料

海外の顧客からの支払いを受け取る場合、利用する決済サービスの手数料も確認事項となり、PayPalなどのサービスを利用して海外取引を行う際、国内取引の標準レートに加えて、海外取引特有の割合手数料が追加でかかる設定になっています。

※出典:PayPal JP「PayPalビジネスアカウント・プレミアの手数料」

さらに、チャージバック(買い手がクレジットカード会社を通じて請求を取り消すこと)や紛争解決に関する手数料が発生する可能性もあるため、これらもコストとして認識しておくことが大切です。

利益改善のために見るべき指標

※出典:J-Net21「財務の基礎知識」

粗利率

売上総利益を売上高で割って算出する割合で、扱う商材ごとの利益の出やすさを比較するときに役立ち、同じ売上でも粗利率が異なる場合は、仕入れ価格や販売価格の見直し余地があるかもしれません。

営業利益率

営業利益を売上高で割った割合で、粗利率は高いのに営業利益率が低い場合は、発送業務や在庫管理など運営コストに改善余地がある可能性があり、送料や梱包資材、人件費、保管費といった販売や管理に関わる経費(販管費)に無駄がないかを見直すサインとして活用できます。

在庫回転率

売上高を平均的な在庫金額(棚卸資産平均在高)で割った数値で、この数値が高いほど在庫が速く売れており、商品を買い取った資金の回収がスムーズに行われていることを示します。

在庫保有期間

商品を仕入れてから販売されるまでにかかる平均的な日数のことで、詳細な計算方法を覚える必要はなく、まずは「商品が仕入れてから何日で売れているか」を把握する指標と考えると理解しやすくなり、この日数が短いほど販売効率が良く、手元の資金に余裕が生まれやすくなります。

平均販売単価

売上高を販売した件数で割った金額で、配送費や梱包資材などは、商品価格に関わらず1件ごとに固定で発生するコストであるため、平均販売単価が下がると、コストの割合が相対的に大きくなり、利益率が低下しやすくなるという特徴があります。

単価の低い商品ばかり売れている場合は、セット販売や高単価商品の取り扱いを検討するきっかけになります。

返品率

返品された件数を受注した件数で割る、または返品金額を売上高で割ることで算出し、返品が発生すると、返送料の負担や個別の対応にかかる手間が増え、営業利益を直接的に押し下げるため、商品の状態説明を正確にするなど、返品を防ぐ工夫も重要です。

利益率を改善するための考え方

仕入れ前に利益を試算する

利益を改善するための第一歩は、商品を仕入れる前に「売れるかどうか」だけでなく、「手元にいくら残るのか」を計算することであり、想定される販売価格から、買取原価だけでなく、以下の項目をすべて差し引いて実質的な利益を試算します。

・ 買取原価
・ 修繕や検品にかかる費用
・ 送料と梱包資材費
・ モールや決済の手数料
・ 想定される返品コスト
・ 人件費の目安

このように商品ひとつ単位でシビアに数字を見ることで、仕入れの精度を高めることができます。

滞留在庫を減らす

長期間売れずに残っている在庫は、資金を眠らせ、保管コストを発生させ続けるため、商品ごとの回転期間を把握し、仕入れの量を適正化することが重要です。

また、販売経路を一つのモールに限定せず、複数のオンラインショップなどで並行して販売することで、在庫が動くスピードを上げる工夫も有効です。

販路ごとに価格設定を見直す

出品するプラットフォームや販売先の国によって、発生する手数料や送料の仕組みは異なり、たとえば、送料を販売価格に含める「送料込み」の設定にした場合、その総額に対してモールの販売手数料が計算されることがあります。

そのため、全ての商品を一律で値上げするのではなく、販売する経路や条件に合わせて個別に価格を最適化することが、利益率確保の近道といえます。

利益分析の時間を確保する

これまで挙げた指標やコストを管理し、利益率を改善するためには、「数字を見る時間」を作ることが何よりも大切ですが、複数のモールで販売を行っていると、日々の商品登録や在庫数の調整、注文ごとの処理に追われ、分析まで手が回らないという課題があります。

そこで考えたいのが、日々の作業を効率化できるツールの導入であり、たとえば、ネットショップ一元管理システムである「ワサビスイッチLITE」を利用すると、その後の商品登録や各モールへの出品、受注対応を一括して行えるようになります。

※出典:ワサビスイッチ「ワサビスイッチ LITE」

ワサビスイッチ LITE

煩雑な業務を効率化して余白を生み出し、その時間を利益の分析や改善施策を考える時間に充てるというサイクルを作ってみてはいかがでしょうか。

よくある質問

粗利率だけ見れば十分ですか

十分ではありません。

粗利率は商品力を見る指標である一方で、営業利益率は事業全体の収益性を見る指標ですので、両方を確認すると、商品選定に課題があるのか、運営コストに課題があるのかを整理しやすくなります。

手元に利益が残っているかを判断するには、梱包や発送、人件費などの費用を差し引いた「営業利益率」もあわせて確認してみてください。

仕入額と売上原価は同じですか

同じではありません。

会計上の売上原価とは、「実際に売れた商品に対する原価」を指し、大量に商品を買い取ったとしても、それがまだ売れずに在庫として残っている分は、その期間の売上原価には含まれないため、利益の計算上では見えにくくなります。

送料込み販売は利益率が下がりますか

悪くなりやすい傾向があり、梱包資材や配送にかかる費用は、商品価格にかかわらず固定で発生し、モールによっては、商品価格と送料の合計金額を基準にして販売手数料が計算される場合があるため、手元に残る金額が想定より少なくなることがあります。

越境ECで見落としやすい費用は何ですか

国際送料や為替の換算コスト、関税やVATへの対応費用などが挙げられ、海外決済サービスを利用する際の追加手数料や、万が一返品やトラブルが起きた際の再送料なども、国内販売より高くつくため利益率を押し下げる要因となります。

利益分析の時間がない場合はどうすればよいですか

まずは、日々のルーティン業務である「出品・在庫管理・受注処理」の効率化を図り、システムの導入などで運用にかかる手間を圧縮し、そこから生み出した時間を数字の定点観測利益改善の検討に充てることが、状況を変える近道となります。

まとめ

リユース販売は、商品の仕入れ価格以外にも、修繕費用や送料、梱包資材、各プラットフォームの手数料など、見えにくいコストが多く存在するため、売上高や粗利だけでなく、営業利益率や在庫回転率といった指標をチェックし、利益を圧迫している原因を特定することが重要です。

・商品を仕入れる前に、実質的な利益がいくらになるかを試算する
・在庫が長期間滞留しないよう、販売経路を工夫する
・販路ごとの手数料構造に合わせて、最適な価格設定を行う

こうした改善策を実行するためには、現在の運営状況を客観的な数字で把握する時間が欠かせませんが、出品や在庫管理のシステム化を検討すると、数字を見直す時間を確保しやすくなります。

最新情報を発信する「リユース大学」

変化の速いリユース業界で、次の一手を一人で考え続ける必要はありません。
経営・実務・EC・法務・採用まで、現場に直結する学びとネットワークを活かして、事業の成長を加速させましょう。

SEARCH

ARCHIVES

OFFICIAL SNS

最新のリユース・越境EC情報を発信中!

X Facebook Instagram TikTok YouTube