JD.comについて
海外EC調査部2021-06-01
ワサビの海外EC調査部です。
今回は、JD.comへの出店についてご紹介します。
企業店舗
A) 企業が開店した店舗
1.「自営店」
表記では「JD.comが自営している店舗」ですが、実際には企業側が価格変動やキャンペーンなどの運営案をJD.comへ提出し、JD.com側の担当者が設置する権限を持っています。
倉庫などの物流システムもJD.comのもの(「京東快递」)を使用します。
高質の物流とJD.com自営からもたらした顧客の信頼はJD.com「自営店」の長所であり、開店する難易度も高めです。
2. 「POP店舗」
企業側が全て運営する店舗です。物流により二種類に分かれます。
- 「FBP」:倉庫、郵送と配達などすべての物流サービスはJD.comに任します。
- 「SOP」:物流サービスは開店企業が提供します。
3. 「海囤全球(JD Worldwide)」
海外商品を業として販売している店です。(2019年まで「京東国際」という名でした)
B)個人が開店した店舗
1.「拼購店」
とにかく安い値段で消費者を集める店舗です。
ビジネスモデルとしては共同購入(グループ購入)モデルです。
(SNSで集まった大人数の人が同時に一つの商品を買うと割引され、安く購入できるモデル。拼多多/Pinduoduo/ピンドゥオドゥオ」から流行)
2.「優創店」
個人業者向けの店舗です。デザイナー、職人なども簡単に開店できます。
出店手順
A)企業が開店した店舗
1.「自営店」
要件
- 中国国内企業であること※1
- 会社登録してから2年以上経過していること
- 企業の登録資本金が50万元以上(約831.7万円)あること
- 商標登録されていること
- GMV(オンラインとオフラインを加えて)3000万元(約4億9900万円)以上であること
開店方法
- JD.comから「自営店」開店の誘いが来る:業界内でトップレベルの企業のみです。
- 自分で開店申請を提出する:かなり難易度が高く、困難です。
- 第三者に開店申請をやってもらう:「開店申請代行業者」数多く存在しますが、慎重に選ぶ必要があります。
2.「POP店舗」
開店方法
- JD.comアカウント作成(中国の携帯番号必要ー基本的には海外企業は「POP店舗」を開店できなく、「海囤全球(JD Worldwide)」しかできません)
- 企業の資質証明をアップロード:営業許可証、納税証明書、法定代理人の身分認証等
- ブランドの資質証明をアップロード:商品の品質検査証明書、商標登録証明もしくは出願証明書等
3.「海囤全球(JD Worldwide)」
要件
- 海外で登録した企業
- 法人口座(ドルで取引)
- 「旗艦店」:商標登録証明(登録地は海外)、ライセンス契約証明
「モール型旗艦店」:商標登録証明(登録地は海外)、ライセンス契約証明、商品の輸出輸入の流れ証明
「専売店」「専営店」:商標登録証明(登録地は海外)、ライセンス契約証明、仕入れ証明
開店方法
- JD.comから「海囤全球(JD Worldwide)」開店の誘いが来る:業界内でトップレベルの企業のみです。
- 自分で開店申請を提出する:かなり難易度が高く、困難です。
B)個人が開店した店舗
「拼購店」と「優創店」
要件
- 営業許可証(企業の場合)
- 身分認証(中国の身分認証)
- 納税証明書
- 商標登録証明書もしくは出願証明書
- 商品品質検査証明書(品類によって必要がない場合もあります)
開店方法
- JD.comアカウント作成
- 開店主体は「個人」か「企業」かを選ぶ
- ガイダンスに従って資料をアップロード
- メールアドレス、携帯番号等を記入
- 取り扱う商品の品類を選択し、その後品類によって要求される証明書をアップロード
- 店舗名称とID等を設置→JD.comの審査を待つ
保証金と手数料
- プラットフォーム使用手数料は一般毎月1000元(約1万7千円)
- 店舗保障金は商品の品類によって異なり、基本的には1万元(約17万元)~10万円(約170万円)です。
- 売り上げ控除も商品の品類によって異なり、1%~10%です。
※1 今のところ、海外企業の申込は受け付けていないようです。