廃棄した古着はどうなる?ファストファッションと環境負荷を考える【前編】
Reuse for the Future 作成 2021-12-27

ファストファッション産業の概要

トレンドの「速さ」
不要になった服は、再販売・寄付などで再使用される場合もあれば、別の製品の材料、焼却、埋め立てへ進む場合もあります。回収された服がすべて新しい衣類になるわけではありません。本記事では、短い周期で大量の衣料を供給するファストファッションと、製造・使用・廃棄による環境負荷の関係を説明します。
ファストファッションは、流行を取り入れた低価格の商品を短い周期で販売するビジネスモデルです。商品が頻繁に入れ替わると、新たな買い物のきっかけも増えます。問題を考える際は、単に安いかどうかではなく、生産量、着用期間、修理のしやすさ、使い終えた後の行き先を確認する必要があります。
生産過程の「速さ」
短い販売周期に対応する生産では、納期やコストの圧力が製造現場にかかります。ただし、工場の所在地だけで労働条件や環境負荷を判断することはできません。原料、染色・加工、エネルギー、排水処理、働く人の条件など、生産工程ごとに確認することが大切です。
販売の「速さ」
ECやSNSは、商品を見つけて購入するまでの時間を短くします。便利さが購入の機会を増やす一方、買った服をどれだけ使うかは人によって異なります。元記事が書かれた2021年のコロナ禍の説明を、現在のすべての消費者の行動として一般化しないようにします。

使用の速さ
服の価格だけで品質や寿命が決まるわけではありません。短期間しか着ずに手放すと、製造時の負荷を少ない使用回数で負担することになります。素材と縫製を確認し、洗濯表示に沿った手入れ、修理、着回しなどで長く使えるかを考えましょう。元記事で挙げた海外の着用回数調査は対象や時期が異なるため、全利用者の平均としては示していません。
しかし、我々の地球環境にとってこの「速さ」は、決して良い速さではありません。
関連する環境問題の現状
衣料品の環境負荷は、原料の生産、染色・加工、輸送、洗濯などの使用、廃棄までの過程で発生します。ファストファッションだけの負荷と、繊維・ファッション産業全体の負荷を混同しないことが、数値を読む際の重要な点です。

UNEPの2025年の説明では、繊維産業は世界の温室効果ガス排出の2〜8%に関わると推計しています。これはジーンズ1本や特定ブランドの排出量ではなく、産業の範囲を示す推計です。素材、生産地、洗濯・着用条件によって、個々の商品が必要とする水や排出量は変わります。
以下の図版は2021年の記事作成時に用いた資料として残しています。本文の更新に伴い、図中の数値を現在の統計として引用しないようにしてください。特に、繊維産業全体とファストファッションを同じ対象とする説明、2030年に世界排出量の50%という予測は採用していません。


- 水:原料栽培や染色・加工で使われる。全工程の水使用と排水量は別の指標
- 排出:繊維産業全体についての推計を、ファストファッションだけの排出割合としない
- 再使用:服として再び着ること。回収されたすべての服が再使用されるわけではない
- 再資源化:別の素材・製品にすること。服から新しい服への循環とは区別する
- 廃棄:焼却や埋め立ても行き先となる。使用期間を延ばし、受け入れ先を確認することが大切
UNEPの中古繊維取引の取り組みは、再使用できる中古衣料と廃棄物を区別し、取引が受け入れ先で価値を生むかを考える必要性を示しています。寄付・回収をすれば必ず再使用されるとは限りません。受け付ける状態、選別、再販売や再資源化の方法を確認することが大切です。
不要になった服は、着用できる状態なら再販売・譲渡・寄付などを検討し、回収窓口の条件を確認しましょう。汚れや破損で再使用が難しい場合は、受け付ける回収・処分方法を自治体や事業者の案内で確認します。詳しくは後編:古着の行き先と再使用・再資源化もご覧ください。
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