Facebook マーケットプレイス実体験レポート 実際に使ってみたらどうなる?
海外EC調査部2022-05-24
目次
アメリカで生活している人から見たFacebook マーケットプレイスとは
前回までのおさらい
この記事内では、度々Facebookに備わっているeコマース機能について触れてきました。
ただ日本では機能自体がまだ提供されておらず、どういったものかがピンとこない方もいると思います。
そこで本記事では、実際に利用している人の声や取引の過程についてご紹介します。
普及率の体感
Facebookのアカウントを持っているだけで簡単に使える機能のため、かなりの人が閲覧・個人間で売買をしているようです。
ただ、学生など若い世代はFacebook自体を利用していない人も多く、そう言った場合にはアカウントを所持している親が代わりに出品し売買等行っています。
日本でも10代のFacebook利用は20%にも満たないため、仮に日本で同じサービス提供が始まったとしてもビジネス世代(30~40代)の利用が多くを占めるのでなないでしょうか。
また、利用のタイミングは引っ越しなど家具を一新するタイミングがほとんどです。
売買の一例
アンケートの回答では、PC、空気清浄機、ルームライト、自転車、シューズなどの回答が寄せられました。
いずれも正規の販売価格より安く購入できたり、一部故障していても了承を得た上で売りたかったなどの理由が挙げられました。
日本の中古売買との大きな違い
個人間の中古品売買というと日本にもいくつかアプリが存在しますが、Facebook marketplaceとの大きな違いは手数料の有無です。
FBマーケットプレイスでの販売には、手数料がかかりません。
個人でもビジネスでの利用も条件は同じで、これは販売側にとっては大きなメリットです。
しかもFacebookへの登録だけで利用が開始できるので、普及するのも納得できます。
また、個人間での取引の場合、多くが同じ市・郡内で行われます。
そのため、物品は手渡しで届けるケースがほとんどです。
どちらかの最寄り駅であったり、スーパーマーケットなど、人目のある視界の開けた場所で取引を行います。
取引のポイント
商品ページに、mpu (must pick up/引取り) などの表記がある場合、相手の家を訪ねたり、近くて安全な場所(スーパーや大学、人の目があるところ)などで落ち合い、引き渡しを行います。
ただ、アメリカにはありがちな
「明日の○時に○○で」と約束しても、実際には来なかった。
当日改めて連絡したが、返事がない
明日には必ず連絡するから取り置きしておいてくれ、と言われて当日になっても連絡は来ない…
などのケースが多々あります。
そのため商品ページにserious inquiry only(真面目な問い合わせのみ受付)などと記載している人も多いそうです。
取引体験レポート
実際に電子レンジを出品・買い取りに出した流れをスクリーンショットを交えて解説していきます。
まず電子レンジの写真を撮り出品します。
投稿画面は以下の通り。
さらにスクロールすると・・・
出品に関するシェアの設定、クリック数などが確認できます。
今回は、同じような電子レンジを出品している他の投稿と値段を見比べ、30ドルで出品。(元値49ドル)。
マーケットプレイス以外にも、Facebookのグループ(○○市売買のような地域コミュニティ)にも投稿し、宣伝しました。
そして複数届いたメッセージのうち、最終的に一番連絡が早かった方に譲ることにしました。
住まいのアパートまで来てもらい商品を手渡し、支払いは現金で取引完了です。
以下が取引時のメッセージになります。
取引に関するやり取りにはクイック返信機能も用意されており、購入者からのよくある質問に対して回答のテンプレートが用意されています。
今回は幸運にもかなり早く取引が成立しました。
夜に投稿→翌日の朝にはメッセージが来る→同日の午後には売買成立と言うスピードです。
追加写真の送付希望などもなく、支払い方法もすぐに決まったのが早さの理由との事でした。
企業からの出品状況は?
企業の出品に関しては個人ほどの活発さは無く、地域によっては出品が無いこともほとんどだそうです。
時折「格安マットレス」「格安自動車」などの出品があるそうですが、出品者名の記載が無いと不安、詐欺なのでは?と避けられがちなのだとか。
また車やアパートのサブリースなどでは詐欺紛いのものが多く、あまり利用普及はしてないようです。
まとめ
機能提供のない日本では実感はありませんが、FBマーケットプレイスはアメリカではかなり生活に密着したアプリになっているようです。
メリットとして、
Facebook内ですぐにアプリが利用できる
手数料ゼロ
手渡し・現金支払いが主流なのですぐに取引が成立する
・・・など、Facebook内のアプリを利用しているというよりは、連絡手段としてメッセージのやり取りを行っているだけで簡単に取引が成立する、という印象です。
企業の利用に関してはまだ未知数ですが、仮にこの機能が日本でも利用できるようになった場合には、ビジネス利用の多いFBでターゲットを絞った宣伝チャンスにもなりそうです。