【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.11】アジア編ー中国(番外編 2)
海外リユース探訪記2023-08-02
「天津」と聞いて読者の皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?「天津飯」を思い浮かべた貴方、残念ながらあれは実のところ日本生まれの「中華風日本料理」で、中華人民共和国天津市とはあまり関係がありません。
「天津」と聞いて思い浮かぶのは…?
天津は中国国内でもひときわ勢いのある大経済都市です。隋王朝(581年-618年)の時代に大運河が開かれたころより運送の要所として発展を続け、現代では華北最大の貿易都市として中国と海外の流通を支えています。高層ビルが立ち並ぶ風景はなかなかの見ごたえです。
怪しくも魅力的な中古…ブランド品展示会へ潜入!
今回天津を訪れて一番ビックリさせられたのは、「ラディソンホテル天津アクアシティ」で開催されたブランド品展示会の下見に参加した時でした。多くの高級アイテムのリユース品が販売され、それを目当てに中国全土からバイヤーが来訪するという、注目度の高いイベントです。
開催当日前に、直接販売業者へ掛け合い、特別価格でブランド品を購入できるのですが、その場所はなんとホテルの一室!部屋に入ると名だたるブランド品がベッドの上にズラリと並べられています。中には床に直置きされている商品までありました!
まるで警察に押収された盗品のような扱いです。それらを目当てに多数のバイヤーの方々が狭い一室に何人も入り、スマホ片手にパパパッと交渉を進めていくその光景はアンダーグラウンド感が満載で、なんとも如何わしい雰囲気です。「ひょっとして危ないところへ来てしまったのでは?」と一瞬怖くなってしまいました。
しかし、出品されているのは本物であり、イベント自体ももちろん合法。しかも平均的な相場より安く買えてしまいます。有名ブランドのバッグが相場より安く売られていたのには思わず「えっ!?」となりました。店員さんも「偽物だった場合は返品を受け付ける」と言っていたのでご安心を。ただし、リユース品ゆえキズなどが付いている場合もありますので、その際は勇気を出して価格交渉にチャレンジしてみましょう。
56店の企業が参加 日本のリユース企業も
展示会当日には実に56店舗ほどの業者が出店していました。印象深かったのが、日本の企業も加わり積極的な活動をしていたこと。例えば、バリュエンスは、同社が運営している「スターバイヤーズオークション」というインターネットオークションサービスへの出品者を積極的に募っていました。中国のバイヤーを取り込む事が大きなミッションの一つなのかもしれません。日本のリユース業界にとっても、中国ユーザーの存在は無視できないどころか、非常に重要な存在となっているのですね。