海外リユース探訪記

【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.33】ヨーロッパ編 ー ギリシャ

海外リユース探訪記2024-06-12

クーボンの海外リユース探訪記33ヨーロッパ編ギリシャ

クーボンの海外リユース探訪記は毎月2回、リユース経済新聞にて連載中です。
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古着市場は広く浅くの品揃え 今後の市場発展に期待

いよいよギリシャの古着屋事情をチェック!

「KILO SHOP」はかつて日本にも展開していたパリ発の古着屋。価格は基本的に重さで計算。カラータグごとに1キロあたりの価格が決まっており、タグが赤なら25ユーロ、緑は35ユーロ、オレンジは60ユーロに設定されています。

相場は日本と同等 古着屋2店舗を紹介

「KILO SHOP」壁面にはおもちゃが陳列。かつて日本にも展開していたパリ発の古着屋。
「KILO SHOP」壁面にはおもちゃが陳列

探訪時(2023年9月)のレートで考えると、1キロおよそ4,000~9,000円といったところで、円が弱い昨今の経済状況ではいまいちお得に感じませんでしたね……。品ぞろえはバラエティー豊かで、服だけでなくおもちゃも扱っていたり、やや個性の強い雰囲気のアイテムも販売されていました。

「RATs」という古着屋もいいお店でした。店舗の場所は小さな古めかしいビルの一室。扉がない旧式エレベーター(怖い!)に乗っていく必要があり、不安を覚えつつも、いざ店舗内へ入ってみると、よい意味で予想を裏切られました。

店内は思ったよりも広々としており、ジーンズや帽子、バッグ等ひと通りのヴィンテージアイテムが売られていました。その中には、ディオールのバッグやベルサーチェのジーンズにモンクレールのジャケット等、日本でも知名度のあるブランドがちらほら。

ちなみに、モンクレールのジャケットの価格は200ユーロ(約3万2,000円)程度と、日本での相場と比較するとややお手頃。熱心に探しはしませんでしたが、いろいろ良い品がありそうな店でしたね。

欧州の中では SDGs意識は低め

他のヨーロッパの国々、たとえばイギリスやフランスのような、国を挙げて3Rを推進している状況と比べると、「文化」としてリユースが根付いているといった様子は見られませんでした。

中古屋も少なからず営業しており、音声解説つきリサイクルボックスや紙ストロー、キャップが離れないようデザインされたペットボトル等も見かけたので、リユースやリサイクルの概念は徐々に浸透しつつあるようです。

しかしながら、昨今注目されている「チャリティーショップ」や「スリフトショップ(中古品や寄付された商品を販売する小売店のこと)」のような、慈善活動を主目的としたお店はあまり見かけませんでした。

あくまでも「予算を考慮した選択肢のひとつ」「興味本位」等の理由から古着やアンティークを購入しているだけにすぎず、SDGs的な考えからそういった品々を”あえて”セレクトしているわけではないようです。ギリシャにおけるリユース文化の発展はまだまだこれからのようです。

これらの市場が、リユースビジネスとして今後発展していくかどうかは、イギリスやフランスを含めた周辺国の状況によっても左右されるかもしれません。

もしギリシャを拠点にビジネスを行いたいのであれば、蚤の市や骨とう品店を活用するとよいでしょう。相応の目利きを持っていれば、フリマサイトでドカンと一儲け狙えるかもしれません。ですが、現地へ訪問の際は、くれぐれもスリやタカリにご注意を!

考えさせられることの多い国でしたが、サントリーニ島の風景は見たことのない美しさ!
旅の疲れも吹き飛びました。

シンプルな作りの店内「RATs」店舗の場所は小さな古めかしいビルの一室。
シンプルな作りの店内「RATs」

筆者紹介

株式会社ワサビ 
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中。

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