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【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.43 マレーシア編2

お知らせコラム海外リユース探訪記2024-12-16

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。

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前号に続き、ブックオフ運営の「Jalan Jalan Japan@ M3 Shopping Mall」を訪問。

マレーシア進出企業に見る海外進出成功の鍵は文化の尊重とSNS

運営成功の秘訣は土地柄に合わせた店づくり

ぬいぐるみは日曜日になるとすごい勢いで売れていく

広い通路と分かりやすい陳列で、商品が見やすい店づくりが印象的な店舗ですが、運営成功までには現地スタッフとのコミュニケーションに苦労したそう。マレーシアの人々は人前で怒られることを恥だと感じる傾向が強く、注意の仕方に気を遣わなければすぐに辞められてしまいます。

JJJのすごさは、それでも店づくりの工夫と努力を怠らなかったこと。誰がどの店舗に配属されても動けるよう業務内容のマニュアル化を行いました。JJJではすべての店舗が500坪のスペースに展開され、商品の陳列等もすべて同じ形となるようあらかじめ均一化されています。

他にもイスラム教徒の中には豚革に抵抗がある人もいるため、商品輸入の際はトリプルチェック体制を敷き、豚革を使用した靴やカバン等が店頭に並ばないようにしているそうです。

もうひとつ注目すべきポイントは、「現地経済の活性化」と「大量の中古品の再評価」の両立に成功していること。客足の悪いショッピンングモールにJJJが出店すると、多くのお客さんが訪れ、にぎわいを取り戻すこともあります。こうした動きによって助けられた現地の店舗も少なくないでしょう。

また、日本国内では廃棄される予定であった数億もの中古品をマレーシアで販売しています。一旦価値がゼロになった品々を「再活用」し、それらを欲している人々に対して販売し「復活」させていることになります。大量生産と大量消費が世界的な問題となっている昨今、リユースビジネスによって、「廃棄」を「利益」に変えているというのは、高く評価できることではないでしょうか。

マレーシアのマケプレ事情を探る

マレーシアでも最近はSNSを活用した宣伝が流行っているようです。というわけで、東南アジアへ進出する日系企業のためにソフトウェア開発のサポートを行っている「TK International Sdn Bhd」を訪問。日本の事業者がマレーシアで創業した会社で、さまざまな有名企業とも提携した経験があります。

お話によれば、マレーシアはどちらかといえばオンラインよりもリアル店舗での販売が主流で、マーケットプレイスに関してはこれから成長していく状況とのこと。また、勢いのあるTikTokやフェイスブック等のSNSで広告を発信するマーケティングが主流となりつつあるようです。

JJJでも現地のインフルエンサーらしき人物の商品紹介動画がディスプレイで流されていました。また、フェイスブックのフォロワーはなんと10万人。せどり目当てのお客さんが作ったグループチャットには3万~4万人が参加しているのだとか!

アジア各国のECブームといい、SNSを活用したマーケティング戦略の重要性はとどまるところを知りませんね。

JJJ4号店はすっきりした店構え

筆者紹介

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中

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