日常に根付いたSDGsとESG① 〜SDGs編〜
Reuse for the Future2021-09-13
今年に入って一層、テレビやラジオで毎日のように耳にし、日常生活でも頻繁に目にし、誰もが当たり前のように口にするようになったワードといえばなんだろう。
いろいろな答えが返ってきそうで、全ての意見をお聞きしたい気持ちだが、ここでは一つ私の答えを提示したいと思う。
――「SDGs」
この Reuse for the Future のコラムにおいても何度か話題にしてきたキーワードでもある。
では、誰かに「SDGsって何?」と聞かれて明確に答えられるだろうか。自分の中ではなんとなくわかっているつもりでも、誰かに説明するとなると「あー、えっと…」となることも多い。
それに、横文字やアルファベットが並んでいると、ついつい他人事のように感じてしまうという方も多いのではないあろうか。
そこで今回は2編にわたり、「SDGs」の復習と、よくセットで出てくるワード「ESG」の解説、そしてそれらをより身近に感じてもらえるような内容をお届けしたいと思う。
SDGsとは
「SDGs」―「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」の頭文字をとった言葉だ。
2015年に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」として国連総会で採択されたこのSDGs。2030年までの達成を目指している世界共通の目標である。
枯渇性資源への依存、環境汚染、気候変動、大量生産大量廃棄、人権問題、貧困問題、児童労働・・・
今私たちが抱えている問題は多岐にわたり、その全てが対策や解決を急がれるものばかり。
技術発展のために限りある資源を犠牲にしてきた代償が、今もう目の前まで迫ってきている。
今のままの生活を続けていては地球環境が保たず、全ての人に安心した暮らしを提供することはできない。
今のところ平和で快適に過ごしている人も、その生活を維持することが難しい状態にまでなっているのだ。
自然と共生しながら、一人一人が安心して豊かな生活を送れる方法を探し、早急に取り組んでいかなければならない。
持続可能とは「ずっと続けていける」という意味だ。
「サステナブル(持続可能な)」「サステナビリティ(持続可能性)」と横文字で表されることもある。
人類がこの地球でこれからもずっと暮らし続けていくために設定した目標がSDGsである。
SDGsは17の大きな目標と、それらを達成するための169のターゲットで構成されている。
さらに詳しく知りたい方は、国連やユニセフのサイトを見てみるとよい。
国連のサイトでは、「SDGs を17の目標ごとにわかりやすく紹介したチラシ、SDGs シリーズ『なぜ大切か』」を見ることができる。
これは、SDGsの17の目標別に、なぜこの目標が設定されたのか、何が問題となっているのか、取り組まなかったらどうなるのか、私たちには何ができるのかなどを、わかりやすくまとめてあるものなので、手軽に学ぶことのできる資料だ。
国際連合広報センター SDGs を17の目標ごとにわかりやすく紹介したチラシ、SDGs シリーズ「なぜ大切か」【改訂版ができました】
↓ 目標12「つくる責任 つかう責任」に関するチラシの1ページ目
(引用:170822 Why it Matters Goal 12 Consumption(EJ))
例えば、目標12の「つくる責任 つかう責任」において、「責任ある消費と生産」とは一体どういうことなのか。
従来の、どんどん作ってどんどん消費、使い捨てが当然、といった方法が持続不可能であるということはもはや明白。
今後は企業でも長く使い続けられる製品が増え、個人所有ではなくシェアサービスがさらに普及していくことだろう。
もっと身近で言えば、プラスチックの削減や食品ロス問題、日常で使う電気・ガス・水道などのエネルギー資源についても考える必要がある。
個人個人が意識して、日々の生活でもより良い選択ができるように、SDGsを身近なものとして理解しておくことが必要なのだ。
このチラシには各目標に対して、私たち個人ができることもわかりやすく説明されている。
また、先ほどのリンクのページ下部に掲載の関連記事も、理解を深めるのにとても役立つ。
中でも特に興味深いのが、「持続可能な社会のために ナマケモノにもできるアクション・ガイド(改訂版)」だ。
(引用:https://www.unic.or.jp/news_press/features_backgrounders/24082/)
国連総会で国のリーダーたちが決めた目標と聞くと、どうも遠いことのように感じる人がいるかもしれない。
しかし、このSDGsは決して他人事ではない。
私たち一人ひとりが実際にアクションを起こさなければ、実現しないものなのである。
ここでは、「ナマケモノ(the lazy person:怠け者)」レベル4段階で、日常生活で簡単に取り入れられる行動を紹介している。しかも、なんとレベル1は「ソファに寝たままできること」から始まっている。
中には、人によって取り入れにくい内容もあるかもしれない。
例えば、筆者はヘアドライヤーなしの自然乾燥には少し抵抗がある。
しかし、全ての人がここに記載される全てのアクションを起こさなければならないということではない。
それぞれのライフスタイルに合わせて、「これならできる!」「これも地球のためになるのか!」という気づきがあれば、積極的に日常の中に落とし込んでいただきたい。
レベル3のアクションの中には、「ビンテージものを買おう。新品がいつも最高とは限らないよ。中古品店から掘り出し物を見つけては?」というのもある。
プレラブドやブロカントが雑誌でも取り上げられ、流行の兆しを見せてきている昨今。
この機会におしゃれなビンテージショップを訪れてみるのもいかがだろう。
これが17ある目標のうち、一体どの目標に関連するのか、家族や友人とクイズ形式で話してみるのも良いだろう。
以前、当コラムにおいても「今から取り組める地球環境のためのアクション」を紹介している。
身近で簡単な取り組みを具体的に紹介しているので、こちらもぜひあわせてご覧いただきたい。
[nlink url=”https://wasabi-inc.biz/2021/04/16/reuse-for-the-future-04/”]
また、日本ユニセフ協会のサイトでは、見やすく整理されたそれぞれの目標と関連した課題、そして全169ある細かなターゲットを閲覧することができる。
イラストや写真でイメージが湧きやすく、169というターゲットの多さもあまり感じずに読むことができる。
まずは簡単に概要を掴みたいという方はこちらがおすすめだ。
今回は、「SDGs」についてより身近で具体的に理解できるような資料とともにお届けした。
次の記事では、「SDGs」とあわせて押さえておきたい「ESG」について解説していこうと思う。