海外リユース探訪記

【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.17】アジア編ーフィリピン

海外リユース探訪記2023-10-30

経済成長目覚ましい東南アジア

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近年の東南アジアの経済的成長には目を見張るばかりです。フィリピンも決して例外ではなく、2012年以降の経済成長率は毎年一部例外を除いて5%超え。2020年こそ新型コロナによって大打撃を受け落ち込みましたが、2021年以降は再び盛り返しています。国民も若く、平均年齢は25.7歳。将来的なイノベーションを巻き起こしてくれるであろう人材の登場にも十分期待できます。

日本のリユース企業参入が一筋縄ではいかない理由

それならば、日本人がリユースビジネスで利益を得やすい国かというと、イエスとは言い難い側面もあります。フィリピンでもリユースは盛り上がっており、たくさんのマーケットがあります。リユース品に対する偏見を持っている人々もあまりいないようで、高級品に対する需要の高さも実感できます。

しかし、他の国でも言えることですが、フィリピンに海外資本の企業が進出する場合、資本比率の6割以上を現地法人が保有していなければなりません。それに加え、現地従業員を15人以上雇用しなければ、最低払込資本が倍以上増額されるという決まりもあります。厳しいように思えますが、少し前までは50人雇わなければならなかったので、これでも実は緩和されているんです。

法律的な事情に加え、「お国柄」による難しさもあります。東南アジアの国々で見られる特徴ですが、ここフィリピンでも「大ざっぱ」なところがあります。例えば、衣類の輸入が規制されていますが、それでも緩衝材代わりに詰め込まれるなどして他のものに混入する形で入ってきます。本来、そういった抜け穴的手段は厳しく取り締まるべきなのでしょうが、それをしません。特に、日本からきたものに対しては「日本から来たんだから大丈夫だろう」といったノリで容易く通してしまいます。

漢字で書かれたサインは日本人!?

更に恐ろしいのは、サインや署名に対してもアバウトであること。私が聞いた話では、現地の人間が「漢字で書かれたから日本人だ」とあっさり偽造サインを信用したために、企業が乗っ取られた事件が過去にあったようです。

リユース品についてですが、マニラではオークションイベントが大人気。日夜多くのイベントが開催されています。しかし、これも一筋縄ではいかないのがこの街の面白いところ。多くのオークションイベントが新しく登場したかと思ったら、いつの間にか無くなっていて、次はなし!といったことがよく起きるのです。

ある意味では競争が盛んで市場に活気があると言えるのかもしれませんが、すぐ潰れてしまったオークションに関与してしまった側は、そのような呑気なことを言っていられません。事後処理で「言った言わない」「約束したしてない」の泥沼トラブルに発展する可能性もあります。この点もまた、フィリピンでのリユースビジネスが難しい理由のひとつなのです。

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