コラム

【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.25】アジア編ー バングラデシュ

コラム海外リユース探訪記2024-03-26

これまでの連載はこちらを御覧ください>>

大きなリユースビジネスのチャンスが眠るバングラデシュ。まだまだリユースビジネスが根付いていないこの国には、日本からの品々がそれほど入ってきていません。第19回でフィリピン都市部では、タンスや食器棚が飽和状態になっているとお話しましたが、バングラデシュであれば十分な需要が見込めます。冷蔵庫等の電化製品もほとんど供給がないようなので、持ち込めば喜ばれるでしょう。

リユースPC販売店にみる輸入ルート虎の巻

ダッカにある「Shahabuddin Plaza(シャハブディンプラザ)」という小さなショッピングモールを覗いてみました。偽ブランド品を扱っている店が数多く営業しており、時計やスニーカー、衣類など有名ブランドのニセモノが堂々と売られています。モノばかりか箱までニセモノという徹底ぶりにある意味感心。こういった偽ブランドは韓国あたりから輸入している場合が多いのですが、あまり出来がよくないところを見ると、ひょっとすると自国で生産しているのかもしれません。

モールの人気商品は中古PC!?

PC基板が棚にも床にも

中古PCやスマートフォンが販売されているショップで値段を偵察。日本では型落ちになっているようなスペックの低いノートPC、たとえば、5~7年以上前のCPUである「Core i5-8365U」や「Core i7-8550U」を搭載しているものが、いかにも「売れ筋」といった感じで売られていました。日本の売値の倍ほどの値段がつけられている製品も散見できます。

信頼性の高い日本のPCやスマホ等の電子製品は、バングラデシュ国内で大きな需要がありますが、日本製品が入っていない傾向がまだまだ強いようです。そのため日本よりかなり高い価格でやり取りされています。

コストダウンの秘訣はドバイ経由

リユース品を輸出入をする際に知っておきたいポイントとして、関税があります。

バングラデシュから日本へ輸入を行う場合、「特恵関税制度」に基づく関税優遇措置が適用されることにより、一部例外品目を除いて関税はかかりません。しかし、逆に日本から輸出をする場合、品目によっては約70%もの非常に高い税率が課されてしまうのです。

「これではバングラデシュにモノを持っていけないじゃないか」と思われるかもしれませんが、ここは工夫のしどころ。

フリーゾーン(経済特区)を有し、世界的な貿易のハブとして知られるドバイを経由して輸出すれば、直接日本から持っていくよりも、はるかにコストを抑えることができます。このリユースPC販売店も、ドバイ経由で商品を仕入れているとのこと。

ドバイといえば、同国に進出した中古PC販売会社も訪問したのですが、はじめは廃品置き場と同じ敷地に建てられた非常にみすぼらしい小屋を拠点にしてビジネスをスタートしたそうです。驚くべきはその成功の方法で、なんと廃棄されていた電子機器から再利用できそうな部品や素材を抜き取り、それらを集めて中古PC等を組み立てて販売してしまうというもの!

先進国ではまず聞かないような、良くも悪くも豪快な話で、そのアグレッシブさに元気づけられてしまいました。

SEARCH

ARCHIVES