【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.28】アジア編 ー タイ
海外リユース探訪記2024-04-15
ニセモノ探しも一興!?肝はリユースビジネス力
ロンクルア市場は敷地がとても広いので、自転車やバイクを借りて移動しなければなりません。歩いて探索しようとすると、あっという間に日が暮れてしまうことでしょう。いや、本当に呆れるほどの規模なんです。
レンタルバイクで掘り出し物探し
遊び半分で「ラルフローレンを取り扱っているお店を見つけた人間が勝ち」というゲームをしたのですが、全員レンタルバイクに乗っていたにも関わらず、なかなか見つけることができませんでした。やっとそれっぽいものを見つけたと思ってもよくよく見てみるとニセモノだったり…。(後で知ったのですが、ラルフローレンの古着はこの市場でも入荷数が少ないようです)
ここでも偽ブランド品には注意しておかなければなりません。面白い(?)ニセモノの種類として、タグだけを付け替えたようなものが陳列されていました。外側こそラルフローレンそっくりなのに、品質表示タグはなぜかイトーヨーカ堂やファーストリテイリング(ユニクロ)といったようなモノ。うっかりするとだまされます。
スニーカー類は特に注意が必要で、コンバースやヴァンズといった有名ブランドのニセモノがゴロゴロ転がっています。一目見ただけで見破れるような質の低いモノもありますが、巧妙に作られたスーパーコピー品も混じっているかもしれません。ブランド品目当てで訪れるなら、ある程度の鑑定眼を持っていなければ見抜くのは難しいでしょう。
足で稼ぐ信頼関係 一見さんはお断り
日本をはじめ、海外からも多くの業者が仕入れにやってくるこのロンクルア市場。「穴場の市場があるのなら早速行ってみよう」となるところですが、ここが落とし穴。現地にツテもコネも何もない日本人がフラリとやってきて「売れ筋ブランドの品をくれよ」と頼んだところでロクな対応をされないでしょう。多くのバイヤーからは「誰が売ってやるか」と言わんばかりの価格を提示されたり、質の悪いニセモノを売りつけられてしまうことだってあるかもしれません。
そこで「何だこの市場は、ぜんぜんダメじゃないか」と諦めてしまえばロンクルアでのビジネスは縁がなかったということになります。実はこの市場の人々、いわゆる「一見さん」にはとても冷たい。ですが、一旦仲良くなって関係を構築することができれば、とても親切丁寧に対応してくれて、こちらの要望に対しても柔軟にこたえてくれます。
たとえば「ラルフローレンを溜めておいてほしい」「スウェットを集めておいてください」等々、少々面倒くさいオーダーをしても、しっかり応じてくれるんです。初回訪問は、連絡先を聞いて関係構築のためと割り切って動くべきです。ビジネスチャンスは二度目以降。もしタイ現地とのつながりがあるならば、知識のある通訳者を雇うのもよい方法でしょう。
世の中DXだのAIだのであらゆる作業や取引がすこぶる効率的に行えるようになりましたが、肝心なところではコミュニケーションの構築力が問われるものだなと感じさせられました。
もしも、このマーケットを拠点としてしっかり利益を得たいのであれば、現地の人々としっかり信頼関係を構築していくことを第一目標として行動する必要があります。やや時間と手間はかかってしまいますが、その分大きな見返りが得られます。ご自身のリユースビジネスに関する実力を試してみるのもいいかもしれません。