海外リユース探訪記

【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.34】ヨーロッパ編 ー アイルランド

海外リユース探訪記2024-07-02

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。

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一人当たりGNIは日本の1.8倍 経済成長国の慈善精神を垣間見る

ギリシャのサントリーニ島を経由して訪れたのは、島国アイルランド共和国。イギリス領であり自治政府が治める「北アイルランド」ではなく、26の州に約512万人の人々が暮らす共和制の国家です。

本場のギネスに魅了される

何度でも味わいたくなるおいしさ

アイルランドと聞いてまず私が思い浮かべるものは、やっぱりギネスビール!

好きな人には申し訳ないのですが、私は日本で飲むギネスビールの味がいかんせん独特というか、あまりおいしくないように感じられて苦手な印象がありました。

本場のギネスを飲むため、都市・リムリックのアイリッシュパブ「Nancy Blakes」を訪れたのですが、飲む前は期待半分不安半分。ですが、いざ口をつけてみると、よい意味で予想を裏切られました!

このまま食べることができてしまうのではないかというぐらいクリーミーな泡に、ほろ苦いビールの味わいがベストマッチ!

ギネスの余韻を楽しみながらほろ酔い気分でストリートを歩いていると、陽気なドラムの音色が。ファッションショップの前で二人組の男性がパフォーマンスをしていました。いやあ、異国情緒を感じさせられます。

街中で感じるチャリティ精神

アイルランドにとって日本は、東アジア諸国の中で最初に国交を締結した国であり、現在に至るまで60年を超える親交の歴史が続いています。その間、両国の要人往来は頻繁に行われており、2013年には故安倍晋三元内閣総理大臣とエンダ・ケニー元首相の間で「イノベーションと成長のためのパートナーシップ」が締結され、両国の関係性がより強化されることとなりました。

そんなアイルランド、実は日本よりお金持ちの人が多いようです。外務省による2024年1月の調査によれば、2022年におけるアイルランドの一人当たりGNI(国民総所得)は7.97万ドルとなっており、日本の4.24万ドルと比べて約1.8倍の差。しかも、世界的にはノルウェーやスイス、ルクセンブルクに次ぐ4位という高水準!世界経済においても無視できない国です。

だからといって日々の生活に困っている人がいないというわけではありません。実際、私が街を歩き回っているときにも、路上生活者と思われる女性を見かけました。しばらくすると、子供連れの女性が気遣うように声をかけ、相談に乗っていました。

そういう人々に手を差し伸べる人々がちゃんといるというのは、このアイルランドという国のとてもよいところ。「困っている人には手を差し伸べるべきだ」という意識をこの国に住む多くの人々が持っているのかもしれませんね。

こういったことを書くと「たまたま手助けしてる人を見かけただけでは?」と思われるかもしれませんが、そういうわけでもなさそうです。リユースショップ巡りをしていても、チャリティーに対する意識の高さというものを感じさせられました。次号は、「リユース」と「チャリティ」を兼ね備えたショップを紹介します。

リムリックからみるシャノン川の風景

筆者紹介
株式会社ワサビ 
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中。

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