【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.40】ヨーロッパ編 ー フランス3
コラム海外リユース探訪記2024-10-12
この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。
パリの街をリサーチして見えてきたのは、「古着屋が多いこと」「ブランド性よりファッションを重視すること」「欲しいものはまず中古品の中から探し出すこと」という傾向でした。
「新しいもの」を作る日
「古いもの」優位の仏
買い物をする際に、日本ではまず新品を購入することを考える人が多いですが、フランスではその逆。まずは中古品から探そうという人が多数派です。
昨今いろいろな場所でタワーマンションが建設されているように、日本人というのはとにかく新しいモノを作りたがる傾向があります。フランスでは、今あるものとの付き合い方を考えることでライフスタイルを構築しています。パリのストリートに古着屋がズラリと並んでいることからも、リユースが馴染みやすい国ということを強く認識させられました。
「Passion Luxe」のブランドが生まれた国であるのに、なんだか不思議なものです。
パリの注目
リユースショップ4選
派手なショーウィンドウに興味を引かれて入った「FREE’P’STAR」は、季節問わず古着を陳列していて大雑把な雰囲気。ですが、よく見ると防犯タグがしっかり装着されており、そのファンキーな空気に似合わずしっかりした管理体制を敷いているようでした。
「KILO SHOP Kawaii」は、その店名の通り「キロ売り」を行っており、品物に付けられているタグによって1kgあたり20〜60ユーロの値段となるようです。店内の雰囲気はファンシー寄りで、まさに「かわいい」といったところ。オシャレな柄の着物も売られていました!
どこから仕入れているのか、思いきって店員さんに尋ねてみたところ、セーヌ川沿いの街・ルーアンからとのこと。その街にある「Les Chiffonniers d’Eureka Fripe」という企業が巨大な倉庫を有しており、サプライヤーとしてフランス各地にベールを卸しているようです。
次に行った「Vintage by Ramin」はヴィンテージショップと言いつつも、今回訪れた店舗の中でも比較的安い価格帯で、5ユーロほどのノーブランドものを大量に販売していました。店の狭さや陳列の雑さ等に目をつぶればお買い得なお店と言えそうです。
「Paris Discount」では、税関で差し押さえられた商品や、関税支払いができず受け取り拒否となった品を販売していました。日本では定期的に官公庁によるオークション形式で売られていますが、専門の店舗を用意して販売するといったようなことはしていません。なかなか面白いビジネスのやり方だと思うのですが、日本では法律的に取り入れるのは難しいのでしょうか。
安く仕入れて高く売るという、ビジネスライクな側面のあるお店も一部見受けられましたが、店数の多さからもリユースが馴染んでいることを感じられるパリ散策でした。
筆者紹介
株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中