【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.79 ブラジル連邦共和国4
クーボンの海外リユース探訪記 作成 2026-05-17

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、
弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。
日本とブラジルの間にはとても古い歴史的な繋がりがあります。1900年代の移民政策により、19万人以上の日本人がブラジルへ渡りました。太平洋戦争によって引き起こされた苦難や迫害を乗り越え、彼らとその子孫がブラジルの発展に尽力した信頼と功績が、現在の両国の良好な関係を支えています。
関税と治安の壁を越えて
市場に眠る高需要
日本酒の専門店「SAKE NISHIKI」。日本酒の説明もディスプレイされている
ブラジルでは、日本でもおなじみの牛丼チェーン店「すき家」をしばしば見かけます。なんと1号店がオープンしたのは16年前!流通ルートや外食習慣のハードルをクリアするため、独自メニューの開発等、長年にわたる努力の結果、肉を好む国民性や日系人の支持を背景に定着しました。
お酒大好きブラジル
現地で好調、日本酒店
日本に関連するお店として特に記憶に残ったのは、日本酒の専門店「SAKE NISHIKI」です。このお店は日本人店主が運営しており、実に約150種類もの日本酒を日本から輸入し、ブラジルで販売しています。「ブラジルの人が日本酒を飲むの?」と疑問に思われるかもしれませんが、むしろ逆!このお店のお客さんは9割9分が現地のブラジル人で、売れ行きもかなり好調なのだそうです。そもそも、ブラジルの人々はお酒が大好きで、「カシャッサ」と呼ばれるサトウキビを原料とした蒸留酒はそのほとんどが国内で消費されています。かつ、世界で最も消費されている蒸留酒といわれているほどです。
また、日本で酒を販売する場合「酒類販売業免許」が必要となりますが、ブラジルの場合は免許や資格を取得しなくても販売は可能で、参入のハードルは高くありません。
前号の通り、日本酒を輸入する際は関税や流通サービス税が課されますが、それを価格に加算しても十分に売れるほどの需要があるのだそうです。日本の強みを活かしたビジネスチャンスというのは、意外なところで見つかるものですね。
越境EC阻む治安面
セキュリティは必須条件
越境ECを行うにあたって、ブラジルというのはなかなかハードな国です。決して安いとはいえない関税と複雑な輸入規制の問題もありますが、治安の悪さもネックです。ブラジルは外務省でも言及されているように、犯罪発生率が非常に高いとされており、強盗や殺人事件などの凶悪犯罪が目立っています。
スケジュール的な都合で立ち寄れなかった「COMPRO OURO」というお店。ここでは金や宝石、プラチナに関連した商品の買取りを行っているのですが、入口にはかなり頑丈そうな扉が設置されており、なおかつインターフォンを押さなければ入店できない仕様になっていました。治安状況が決して良くないことを実感させられた機会でした。
現地のタクシー運転手からも「電話を後ろポケットに入れるな」「貴重品をホテルに置いたままにするな」「飲みかけの酒を残したまま席を立つな(睡眠薬を盛られるので)」と怖い注意をされました。そのような状況なので、現地へ出店するビジネスを行う際は、セキュリティをおろそかにすることは絶対にできません。
地球の裏側にある歴史や文化ではとても長い付き合いのある国の、物価の高さや日本酒人気のリユースショップや高級ブランド品事情など、現地を探訪したからこそ知れたことが今回もたくさんありました。

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユース業界で20年以上のキャリアを持つ。前職の古着店にて、EC黎明期から中古品販売のノウハウを蓄積し、楽天市場「中古部門」の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続で受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。「海外×リユース×テクノロジー」を軸に、クラウドシステム『ワサビスイッチ』等の開発を展開。日本企業の海外販売(越境EC)を支援し、テクノロジーでリユース市場を世界へ拡大させている。




