クーボンの海外リユース探訪記

【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.82 中華人民共和国(広州編)(3)

クーボンの海外リユース探訪記 作成 2026-06-30

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、
弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
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広州は、貿易都市・香港と距離が近くビジネスの玄関口となっています。香港へ入ってきたものや会社を広州でも見かける、ということもしばしばです。地理的な優位性が、越境ECビジネスを行う企業に注目されています。

物価の安さを武器に仕入れ国へ
内需低下が変える中国リユース

不況を乗り切る戦略
海外ECへ進出

ワサビ 30倍まで倍率や光色を調整できるルーペ
30倍まで倍率や光色を調整できるルーペ

現在、中国各地ではフリマアプリやマーケットプレイスを活用したリユースビジネスが積極的に行われています。

訪問した広州のリユース業者も、買い取った品をアリババグループ傘下のフリマサービス「閑魚(Idle fish)」に出品することで利益を獲得しています。

私が訪問した際は、商品の撮影や真贋鑑定といった出品に関するさまざまな作業を行っていました。販売を行う商品については、まずERP(多部門の情報を一元化し、業務効率化を図る基幹システム)にアップロードして、基本項目やデータをあらかじめ入力しておいた上で、フィリピン等海外のECサイトやマーケットプレイスへ一括的に出品を行っているそうです。越境ECの手順においては、日本の業者とも、そう変わらないようです。

積極的に海外への出品が進んでいる一因に、中国経済状況の変化があります。読者の皆様もご存知かもしれませんが、不動産危機や失業率の上昇といったネガティブ要因が重なり、中国国内の消費は大きく冷え込みました。以前とは異なり、中国の人々に経済的な余裕がなくなり、大金を費やしてものを購入してくれなくなってしまったのです。

安価な仕入れ網として
中国発の越境ビジネス

これまで中国国内でビジネスを展開させていた企業は、方針転換を進めています。

代表的なのが、日本でもヴィンテージショップ大手として有名な「コメ兵HD(KOMEHYO、BRAND OFFなどを展開)」です。

同社はこれまで上海を旗艦店として展開していましたが、2024年5月、香港を中心とした海外戦略に転換していくと報じられました。事実、この方針転換は有効で、現状コメ兵HDは香港のリユースビジネス競争において優勢的な立場を保っているようです。

中国国内では内需が大幅に低下していますが、隣接している香港ではまだまだ高級ブランドに対する需要が高く、下手に中国で販売するよりも高い利益が得られます。特に、広州は香港と地理的な距離が近いので、物資や人材の輸送を考慮すると、他の地域よりも利便性が高いといえるでしょう。

こうした状況をふまえて、中国から越境ビジネスをするのであれば、その物価の安さを仕入れに活用することが有効と考えられるでしょう。日本からリユース品を輸出して現地で売るという形では、以前より利益が得にくくなります。これからしばらくは、中国「から」品物を仕入れ、高く売れる国に売るという方法がトレンドとなっていくかと予想します。たとえば、前述のリユース業者に教えてもらったのが、30倍ズームが可能なルーペです。日本国内メーカーが販売しているものは10倍程度の商品が多く、また、仕入れに安くてもひとつ500円程度かかってしまいますが、閑魚であれば数十円単位で仕入れることができます。しかも、30倍以上のズームが可能なルーペも同程度の価格帯で売られています。ルーペ一つとっても、幅広い選択肢が与えられています。こういった商品に関する情報をどれだけ得られるかが非常に重要です。

今後中国での越境ECを考えておられる方は、中国での仕入れ値と販売国での相場の差が大きいものをチェックしておきましょう。

第634号(2026/06/25発行)25面

出典:リユース経済新聞「【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.82 中華人民共和国(広州編)(3)」

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
株式会社ワサビ 代表取締役。22歳で起業し、携帯ショップや飲食店など多岐にわたる事業を経験。その後、前職での役員経験を経て独立。リユース業界向けの在庫連動システムを開発し、複雑な仕様にも泥臭く対応することで流通業界トップ層の圧倒的シェアを獲得。「世界一の流通支援企業」を見据え、ミャンマーやベトナムなどグローバル展開も精力的に進める。社会に必要とされるビジネスを追求し続けるシリアルアントレプレナー。

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リユース事業では、販路拡大、業務効率化など、さまざまな課題が存在します。
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