フランス発のECサイト Cdiscount(シーディスカウント)、日本からセラー利用するには?
海外EC調査部2022-05-31
このサイト内でも既に紹介した通り、フランス発の最大手ECサイトCdiscount(シーディスカウント)は、日本で言う楽天、Amazonのように生活に欠かせないECです。
この記事内では、Cdiscount(シーディスカウント)への出店方法や注意点についてご紹介します。
目次
日本からセラーとしての登録はできるのか?
日本からセラーとしての登録は可能ですが、いくつか留意すべきポイントがあります。
実際の登録画面を交えて詳しく解説していきます。
アカウント登録を行う
https://marketplace-registration.cdiscount.com/
上記のURLをクリックすると、こちらの登録画面に入ります。
※Cdiscountは初期設定ではフランス語表示になりますが、英語にも対応しています。
アカウントの作成にあたって手数料などは特に必要ありません。
この段階では、メールアドレス、電話番号だけ入力し、「Cdiscountを知ったきっかけは何ですか?」というアンケートに回答し、validate(確認)ボタンを押せばOKです。
その後、本登録手続きのURLが登録したメールアドレスに送られてきます。メールが送られた日から30日以内に本登録手続きを完了する必要があります。届いていない場合、一度迷惑メールボックスを確認しましょう。下記はメールの内容です。
送られてきたURLをクリックすると、本登録画面に移ります。
本登録手続きは、連絡先情報、会社情報、銀行口座情報といった3つのセクションで構成されています。
その中でいくつか留意すべきポイントがありますので、以下で解説します。
連絡先情報セクション
名前、職位を入力し、身分証明書のファイルをアップロードします。
IDカードの場合(表裏):カラーで表面、裏面のアップロードが必要です。
パスポートの場合(2ページ):加工せず、全体が写るようにカラー画像を撮影、あるいはスキャンして、アップロードしてください。
会社情報セクション
このセクションには必須な入力項目がたくさんあります。
まずは、会社名、会社住所などの会社に関する一般情報を入力します。
次に必須項目になっているのは、会社の法的形式(Legal Form of the company)、会社法人番号、株式資本、通貨、会社の設立日です。
会社基本情報の入力後に、4つの必須質問があります。
あなたの活動には、1つ以上のエコ組織のメンバーシップが必要ですか?
/Does your activity require membership in one or more eco-organization(s)?
→Yesを選択した場合、エコ組織についての詳しい情報を入力します。
配送先の国は本社のある国と同じですか?
/Is your shipping country the same as the country in which the corporate headquarters is located?
→Noを選択した場合、配送先の国を選びます。
返送先は本社の住所と同じですか?
/Is your return address identical to the head office address?
→Noを選択した場合、返送先の住所を入力します。
カスタマーサービスの住所は本社の住所と同じですか?
/Is your customer service address identical to the head office address ?
→Noを選択した場合、カスタマーサービスの住所を入力します。
このセクションで会社の存在を証明する書類をアップロードします。
証明書類の注意点
筆者がメールで問い合わせたところ、個人事業主でも、法人設立認可証、会社・法人の登記事項証明書のような事業を営んでいる事を証明できる書類が求められます。
書類提出できない場合、アカウント登録ができないそうです。
銀行口座情報セクション
残念ながら、Cdiscountで登録できる銀行口座は、基本的にSEPA(単一ユーロ決済圏)内の国にある銀行口座のみです。
日本国内の銀行口座は使用できませんので、Cdiscount登録時にPayoneerなどの決済サービス(payment provider)を利用する必要があります。
Payonner(ペイオニア)アカウントを作成する場合はコチラ。
Payonnerサービスに登録する方法に関しては、JETROが細かな案内を提供しています。Payonnerサービスに登録する方法の詳細はこちらです。(51ページ〜)
(参考: JETRO https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2019/ae0d14009ca9e50a/fr_ekkyoec.pdf)
また、海外の銀行口座をお持ちの方は、一度 Your bank address(銀行住所)のCountry(国家)のところで、自分が所持している銀行口座の所属国がリストに載っているか否かを確認しましょう。
リストにない場合、同じく決済サービス(payment provider)を利用する必要があります。
アップロードする書類に関する注意点のまとめ
書類をアップロードする際に注意すべきポイントをまとめました。
- 必須情報に関する書類:
全ての書類はカラーで提出する必要があります。 - 身分証明書に関する書類:
IDカードの場合(表裏):カラーで表面、裏面のアップロードが必要です。 - パスポートの場合(2ページ):
加工せず、全体が写るようにカラー画像を撮影、あるいはスキャンしてアップロードしてください。運転免許証及びパスポートや身分証明書のコピーは受付されません。 - 銀行口座情報に関する書類:
口座名義は会社の名前と一致する必要があります。
また、その銀行は信頼できる大手銀行であることが求められます。
(参考:アカウント登録時の書類のアップロード方法 https://cdiscount-marketplace.force.com/help/s/article/Quelles-sont-les-pi%C3%A8ces-%C3%A0-fournir-pour-mon-inscription-en-tant-que-vendeur-Marketplace?language=en_US#ETATS-UNIS)
全ての書類はカラーで提出する必要があります。
販売手数料は?
Cdiscount登録手続きが全て完了し、出品者になった日から毎月€39.99(税抜き)の出品基本料金を支払います。
Cdiscountで商品の売買があった場合には、基本料金は出品者への支払い分と相殺されます。
出品料金プランの詳細はこちらを参考しましょう。(60ページ〜)
(参考: JETRO https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2019/ae0d14009ca9e50a/fr_ekkyoec.pdf)
また、商品が販売された際のカテゴリーごとに販売手数料が発生します。
販売手数料率は、商品の種類によって異なります。
さらに中古品の販売手数料率は、新品より2%上乗せされることもあります。例えば、腕時計の場合、新品の販売手数料率は18%で、中古品の販売手数料率は20%です。
詳しい販売手数料率は、こちらの計算ツールを使用して確認しましょう。
付加価値税(VAT)について
Cdiscountで販売登録者として活動する際に、付加価値税番号(VAT number)を取得する必要があります。
会社情報セクションのところに、VAT numberを入力する箇所があります。
既にVAT numberを取得済みの方は会社情報セクションで入力しましょう。
また、下記の状況に当てはまるとフランスの税務局に申告する必要があります。
- 会社はフランスにあり、フランスからフランスに商品を出荷し、
すべての販売ルートでの年間総売上高が82,800ユーロを超えている。 - 会社がフランス以外の欧州連合の国にあり、
フランスの顧客に出荷した商品の年間総売上高が35,000ユーロを超えている。 - 会社はフランス以外の国にあるが、フランスに商品の倉庫があり、フランスから出荷する。
(参考:Cdicount – Our price https://marketplace.cdiscount.com/en/prices/)
Cdiscountを通して海外発送できる国は?
Cdiscountでの注文は、フランス、コルシカ島、モナコ、スペイン、イタリア、ドイツ、ベルギー、ルクセンブルグに配送可能です。
(参考:Cdiscount FAQ https://marketplace.cdiscount.com/en/faqs/)
(参考:Octopia Fulfillment https://marketplace.cdiscount.com/en/service/octopia-fulfillment/)
Cdiscountで販売時に注意が必要な商品
- 第三者の所有権に抵触する物品
- 暴力や差別を高揚する物品
- 生きている動物
- 盗品
- 広告
- 医薬品、ドラッグ、麻薬効果があることを謳う物品、成分や植物
- 健康・安全・環境に危険を及ぼす可能性がある物品
- 公序良俗あるいは第三者の人権に抵触する物品
- その他シーディスカウントのイメージを侵害する可能性のある物品
が挙げられています。
また、禁止事項や詳しい規定については、JETROのフランスにおける越境ECに関する調査に日本語の訳文が載っていますので、こちら(69ページ〜)を参考にしてください。
(引用:JETRO https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2019/ae0d14009ca9e50a/fr_ekkyoec.pdf)
(参考:CHARTER OF GOOD PRACTICE ”CDISCOUNT MARKETPLACE” https://i1.cdscdn.com/ImagesOK/CGV/MKP/20180709-CharteBonnesPratiquesMarketplace-EN.pdf)
(参考:Cdiscount 販売可能な商品カテゴリー https://marketplace.cdiscount.com/wp-content/uploads/2020/05/List-of-product-categories.pdf)
返品について
購入者には、注文日から14日間の返品可能期間があります。
ホリデーシーズン中(11月1日〜12月31日)は、返品可能期間が30日間に延長されます。
商品を郵送で返品できない場合、出品者は返品の関連費用を負担する必要があります。
返品手数料は、注文が返金されてから6日後に自動的に返金されます。
返品先がフランス国外の場合は、発送伝票(前払い)を顧客に提供する必要があります。
(参考:https://cdiscount-marketplace.force.com/help/s/global-search/return?language=en_US)
(参考:How to handle a customer retraction ? https://cdiscount-marketplace.force.com/help/s/article/Comment-g%C3%A9rer-une-r%C3%A9tractation-client?language=en_US)