越境ECで食品を販売したい!避けて通れないFDAについて考える―2 BtoC販売の場合
海外EC調査部2024-02-19
前回の記事(越境ECで食品を販売したい!避けて通れないFDAについて考える―1)では、大手食品メーカーが自社倉庫や製造施設などを運営している場合、かつ自社製品をアメリカ市場に流通させたい時(BtoB販売の場合)に必要な手続きについて解説をしました。
この記事では、企業から個人への販売、BtoC販売について解説していきます。
FDAの役割―BtoC販売の場合
企業から個人へ「個人が消費する」目的で食品を販売する場合、送付物は禁制品ではないという表明を行い、税関が輸入許可をし易くなる方法があります。
簡単に言えば、FDA(アメリカ食品医薬品局)へどこで作られたどんな食品が、いつどこへ送られるのかを事前に知らせる方法です。
FDAへの事前通知の流れ
FDAへの事前通知は公式Webサイト上で入力・申請を行い、発行されたIDをシッピングラベルに記載する必要があります。
FDAへ事前通知の申請を行い、必要情報を入力後、実際に出力されるPDFのサンプルです。
このPDFに加え、AWB(航空貨物運送状)、インボイスを揃えて荷物に添付することで、食品の発送が可能になります。
FDAへの事前通知は許可ではなく表明
この手続きはあくまで個人宛、個人の消費に限り、「アメリカへ人体に害のない規定内の食品を個人消費を目的に送っている」という表明です。決して「輸入許可を得た」わけではなく、事前に害のないものだと報告する仕組みとなっています。
そのため、毎回この事前通知だけで税関を通過できるわけではありません。
また、発送の際に利用する配送会社により、税関で止められてしまった場合の対応も異なります。
FedExの場合
発送の4時間前までに事前通知番号の登録が必要
事前通知番号を送り状に記載する
DHLの場合
事前通知なしでも発送できるが、現地の税関で一旦止められ
購入者側に申請が求められる
UPSの場合
事前通知なしでも税関に指摘されなければ基本発送される
税関で止められた場合はUPSが受取人に変わって通し、
配達時に受取人に対して25ドルの手数料を求める
このように、現地で何らかの対応を求められるケースがあるため、アメリカ現地での通関代理業者を確保した方が確実です。