海外EC調査部

ヨーロッパで急成長するEC Joom(ジューム)とは

海外EC調査部2024-06-19

ヨーロッパで急成長するEC Joom(ジューム)とは

Joom(ジューム)とは

Joom(ジューム)とは、ヨーロッパと旧ソ連地域を中心に展開するアパレル・日用品などを扱うECプラットフォームです。2016年にラトビアで設立され、現在は中国、香港、ブラジル、米国、ドイツなど世界中に拠点を置いています。サービス提供地域は100カ国以上、アクティブユーザーは2千500万⼈、累計で4億8千万⼈がダウンロードしている注目のECプラットフォームです。

Joom(ジューム)で人気の商品カテゴリ

Joomではファッションアイテム、特にレディースファッションが最も人気の商品カテゴリです。次点に電化製品、美容コスメカテゴリなどが続きます。生活に密着した日用品を多く扱うECということもあり、比較的リーズナブルで手に取りやすい価格帯で設定されています。

また生活用品以外には海外商品カテゴリとして、日本のCASIOなどの時計、邦楽CD、レコード、家庭用ゲーム機全般、アニメフィギュアやぬいぐるみ、トレーディングカード、中古の高級ブランドバッグなども人気を集めています。

コロナを経て成長したJoom Logistics

新型コロナウイルスの流行により、海外販売を行う多くのECモールにおいて国際配送が困難なケースが多々発生しました。当時の状況を踏まえ、Joomは自社内に国際配送サービスを作ることが急務と考え、Joom Logisticsがスタートしました。Joom Logisticsは日本を含む中国本土、香港、韓国、ヨーロッパ、米国、カナダ、オーストラリア、ヨーロッパ、英国、CIS諸国など多数の地域へサービスを展開しています。現在ではひと月当たりの取り扱い荷物数は1千万個に上り、100カ国以上への配送を行っています。

仮に日本のセラーが海外へ発送する場合、発送方法は2通りです。1つは販売事業者自身が⽇本郵便、DHL、FedExなどの国際輸送サービスを手配し手続きを行う方法、2つ目がこのJoom Logisticsの香港倉庫を通じて配送する方法になります。

日本からの出品

Joomは日本の法人であれば新品と中古品の出品が可能です。販売が成立した場合のみ手数料が発生するため、月額利用料や出品時に手数料はありません。出品だけであれば費用はかからないため、試しに出品してみたいという事業者でもリスクを負わずに挑戦することができます。

またJoomは東京に支社を設立しており、販売事業者はJoomの担当者へ日本語で問い合わせすることもできます。

登録された商品が日本から発送の場合、商品の一覧に下記の様なfrom japanタグがつきます。

joomで実際に出品されている日本からの商品、fromJapanマークがつく
(日本から出品されている商品例 公式サイトより引用)

中古品の販売を行う場合、海外ユーザーの共通認識として「日本の中古品は状態も品質も良い」という印象を持たれているため、こう言った日本からの発送アピールは日本の販売事業者にとってはメリットになるはずです。

また自社製品を扱うメーカーからの出品であれば、商品のブランドマーク(青いチェックマーク)がつき、競合商品と差別化を図ることができます。

joomで実際に出品されている日本からの商品、fromJapanマークに加えてユニクロのブランドマークがつく
(日本から発送、UNIQLOからの出品商品につくブランドマーク 公式サイトより引用)

販売手数料について

販売が成立した場合のみ、手数料が発生します。販売手数料は多くのカテゴリで15%、電化製品については5〜10%と定められています。テレビやタブレット、スマートフォンやPCは5%、スマートウォッチやドライヤー、ヘアアイロン、エアコン除湿機電子ケトルなどは8%、デジタルカメラなどは10%と製品により異なります。

自動計算で税込価格を算出し、複雑なVATを明確に

発送対象地域や商品カテゴリが多くなるほど複雑になるのが、VAT(Value Added Tax(付加価値税)です。Joomでは各国の税込価格を自動で算出し、購入者へ事前に知らせることができます。この機能により、VAT支払い拒否による返品を防ぎ、購入者へも明確な支払い料金の提示を行うことができます。

最後に

Joomは日本のリユース市場にも強く関心を向けており、積極的にセラーの募集を開始しています。ヨーロッパ・CIS諸国では、環境へ配慮した商品を選ぶ購買活動、消費傾向が継続しており、中古品への関心も一時の流行ではなく選択肢の一部となりつつあります。

Joomへの出店は費用がかからず、無料で参加できる大型セールや多言語でのカスタマーサポートも行っているため、ヨーロッパ地域へ向けての販売に興味をお持ちの方は検討してみてはいかがでしょうか。

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