海外EC調査部

アメリカ発 スマホやタブレットなどに特化したオンラインマーケットプレイス Swappa(スワッパ)

海外EC調査部2022-01-24

概要

Swappa(以下スワッパ)はアメリカのスマホやタブレットなどの電子製品に特化したオンラインマーケットプレイスです。
2010年に、創立者Ben Edwards(ベン・エドワルズ)がもっと安全でシンプルな電気製品を販売と購入できる場所を目指して、スワッパを創立しました。

スワッパの公式統計によると、プラットフォームでのGMV(流通取引総額)が創立の2010年から2015年まで毎年100%以上の増長率で伸びていました。
2015年からも著しいスピードで成長しています。
2021年のGMVが1億ドル(約114.48億円)を突破し、合計9000万台の電気製品がスワッパで販売されました。

ほかのオンラインマーケットプレイスより厳しい水準で電子製品を取り扱うのがスワッパの特徴です。
スワッパにとっては、ジャンク品がない、詐欺がないマーケットプレイスは基本中の基本です。
その安全安心な場所を保障するために、電子製品に対する専門知識や経験の豊富なサポートチームを作り上げました。
しかも、このサポートサービスは24/7/365で(年中無休でいつでも)利用可能です。

安全で便利なオンラインマーケットプレイスとして、メディアからも評価されました。
WIREDCnetThe Vergeなどの有名なIT・テクノロジー系のメディアも読者にスワッパを勧めました。

ビジネスモデル

最近BtoBの業務も始めましたが、スワッパは主にPtoPのマーケットプレイスに集中しています。

スワッパが取り扱う商品も、一部の電子製品に特化しています。
概ねスマホ、パソコン、タブレット、スマートウォッチ、ゲーム機、ゲーム、ホームテックとカメラの8つの種類に分かれています。

スワッパで販売できるカテゴリが決まっているので、販売者がまず商品を検索して、取り扱うかどうかを確認する必要があります。
そして、商品に関する詳細な説明と鑑定用の写真を提供して、価格を設定したら、出品完了です。
スワッパのサポートチームが説明や写真などの情報に基づいて、商品の真贋や状態を確認します。

スワッパは段階式の手数料システムを採用しています。
しかも、ほかのモールと違って、購入者が手数料を負担します。
つまり、販売者が販売価格そのまま全額で支払われるということです。

(スワッパの手数料表。引用:https://swappa.com/fees

一見するとややこしいかもしれませんが、ほかのプラットフォームよりかなり安いです。

電子製品のアップグレード

アップグレードとは、前の状態より進化した状態になることです。
ソフトの更新にもあてはまるが、ここのアップグレードはハードウェア、つまり機器の世代更新を意味します。

第三次産業革命の主役であるコンピュータやインターネットの発達と普及に伴って、パソコンやスマホなどのような個人用電子製品は、すでに人々の日常生活の一部になっています。
果てのない技術の進化によって、前代より性能が優れた新製品の開発も果てがなく進んでいます。
定期的に製品をアップグレードするのもメーカーたちの戦略になっています。
それに合わせて、消費者の消費行為にも影響があります。

(iPhoneの歴史はまさに電子製品進化の縮図です。引用:https://www.youtube.com/watch?v=lWM5Ygz1Y1I

iPhoneのようなスマホは電子製品であると同時に、トレンド商品でもあります。
毎年必ず一つか二つの新製品を披露することが定番で商品の売りにもなります。
たくさんの人にとって、毎年一度のiPhoneアップグレードが定例になっています。

しかし、もう使わない古い型の機器をどうすればいいかという問題がすぐ出てきます。

電子製品リサイクル市場

電子製品は一般的に丈夫なので、世代更新の時に古い型になっても、基本的な性能は買ったときとほぼ同じです。
この特徴で、電子製品はリサイクルするのにとても相性がいいです。

新品よりかなり安い値段で購入できるという経済的なメリットがあって、SDGsなどの概念の普及にも伴い、新品にこだわりのない消費者が増えています。
そのため、中古電子製品の需要も伸びています。
Persistence Marketing Researchのリポートによると、2017年の中古個人電子製品の市場規模が197億ドル(約2.26兆円)で、2025年には389億ドル(約4.45兆円)になると予測されています。

スワッパのようなオンラインマーケットプレイスもこの波に乗って、事業を拡大させているのでしょう。

電子製品の環境問題

電子製品に関する全体的な生産、消費と処分は持続的ではありません。
生産過程では、大量な自然資源を使って、CO2などの温室ガスや有毒廃棄物を排出します。
消費過程では、アップグレードのため、不要な古い型の機器がたくさん出てきます。
そして、処分過程でも、機器を分解してパーツを再利用するのはコストが高いので、再利用率が低いです。
私たちの生活を便利にさせたこの業界は実に環境へ重い負担をかけています。

(欧米では、廃棄された電子製品とパーツがe-waste(電子ゴミ)と呼ばれています。引用:https://hej-support.org/why-does-the-issue-of-e-waste-continue-to-be-a-global-challenge-despite-international-efforts-to-address-it/

無駄なものを最大限減らして、再利用可能なものを最大限リサイクルするのは、現在の消費社会においての理想的な解決策ですが、今の時代では、インセンティブがないと、活動は続けにくいです
この観点からみると、スワッパのようなリサイクル事業が環境問題に対してとてもいい解決方法だと思います。
自分の持つ不要な機器をワンクリックでお金に変えるのが楽ですし、環境の維持にも貢献ができます。
今後私たちの電子製品消費に対する意識が変わっていくとともに、リサイクルの市場もどんどん伸びるはずです。

日本からの出品と購入について

スワッパによると、アメリカの住所のみ取り扱うので、直接スワッパを通じて海外からの購入や出品はできません。

まとめ

テクノロジーが私たちの生活を変えています。
現在においてスマホやパソコンのない生活は想像できないでしょう
特にコロナ禍で、テレワークを導入する会社が増えていて、パソコンなどの電子製品の需要も伸びています。
それに伴い、スワッパのような安全で便利なリサイクルプラットフォームがもっと重要な役割を演じると予測されています。

新品や最新型を買うだけではなく、経済的な予算や環境問題を意識して、リサイクル市場も利用して、多様な購入手段を活用するのは将来のトレンドに間違いないと思います。

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