海外EC調査部

中国のEコマースの紹介―出店方式と日中比較

海外EC調査部2021-07-12


中国のEコマースの種類は多種多様です。
個人でも出店できるか、それとも企業のみか、もしくは特殊な条件をクリアした企業のみ出店など様々です。
取り扱う商品の種類からビジネスモデルなどについて、出店する利用者側もよく吟味する事が必要です。

中国のEコマースの出店方式図解まとめ

以下に、今まで紹介した中国のEコマースの出店方式を図解でまとめてご紹介します。

中国で年間最大のオンライン通販セールイベント「

[simple_tooltip content=’毎年11月11日に開催される、ECサイト「アリババ」主催の中国最大のECショッピングイベント。 ‘]ダブルイレブン(双11)[/simple_tooltip]

」。
2020年の「ダブルイレブン」の売り上げは、4,982億元(約82,200億円)にも達している。
その中で各Eコマースプラットフォームが占めた売上の割合はどのぐらいだったかと言うと…

日本と中国のEコマース 特徴の比較

WEBサイト/スマホアプリ

中国では、WEBサイトの構築よりもスマホアプリを優先し開発を行っています。
開発されるスマホアプリについても、ログインからスマホアプリ特有の機能まで日中では異なる点が多く見受けられます。
その違いは両国の生活習慣や文化と密接に関わっており、出店時には特に注意すべき点です。

自社サイトの通販/大手ECプラットフォームへの出店

日本のECでは、楽天やAmazonなど大手ECプラットフォームへ出店する以外にも、自社WEBサイト内での通販も多く見掛けます。
一方中国では、大手ECプラットフォームへ出店するケースが圧倒的です。
理由としては、日本では元々WEBサイトへアクセスする習慣があり、中国ではWEBサイトよりもスマホアプリを使用してショッピングをする利用者が多い、ということが考えられます。
中国のEC業者は大手ECプラットフォームの携帯アプリを使用するのではないでしょうか。

また、タオバオやJD.comなどの中国ECプラットフォームには、「

[simple_tooltip content=’小売業で、チェーン店を展開する場合に代表的な特定の店舗を旗艦に見立て「旗艦店」と呼ぶ’]旗艦店[/simple_tooltip]

」などの本店保障制度が設置されています。
勿論、大手ECプラットフォームへ出店の場合には、利用手数料などの出費は発生します。
しかしながら、企業にとってはゼロからWEBサイトを構築するよりも、手間なく容易にEC事業を立ち上げる事が出来るのです。

ポイントを貯める/割引キャンペーン

日本のECでは、会員登録時や買い物時にポイントが付与され、次回の買い物からポイント分の値引きができる、というケースを多く見掛けます。
一方中国のECでは、いつでも使用出来るポイント値引きではなく、限られた条件で使用出来るクーポン券や割引キャンペーンが行われます。
タイムセールや特定の品物限定の割引クーポン券など、日本のポイントという概念と比べると、少々複雑です。

メール(カスタマーサービスやお問い合わせなど)/サイト・アプリ上のチャット機能

Eコマースに限らず、日本ではメールでのやり取りはごく日常的に行われています。
例えばWEBサイト内で「お問い合わせ」フォームを設置したとしても、返信やその後の対応もメールで行うのが一般的です。
一方中国では、仕事でも日常的な連絡の際、

[simple_tooltip content=’中国のインスタントメッセンジャーアプリ。QQと同じくテンセントが開発元。現在アクティブユーザーはQQよりも多い。’]Wechat[/simple_tooltip]

[simple_tooltip content=’中国のインスタントメッセンジャーアプリで、正式名はテンセントQQ(テンセントキューキュー)。’]QQ[/simple_tooltip]

などのチャットアプリを使用します。
同じ様に、中国ECではカスタマーサービスや何らかの問い合わせをする場合、そのECプラットフォーム(サイト・スマホアプリ)にあるデフォルトのチャット機能を使用します。
基本的に、中国ECアプリ内にはこのチャット機能が備わっています。

その他

他にも、日本と中国のECについてはたくさんの違いがあります。
日本では、実物のないデータコンテンツも、商品として大手ECプラットフォームで販売されています。
Amazonでは電子書籍と紙媒体の書籍、動画データとblue-rayが共に検索結果に現れます。
Amazon Video、Amazon Music、Kindleと連携し、データを商品として販売することが一般的です。
実はこういった連携は、中国のECには無いものです。
現状、電子書籍や動画はそれぞれ専用のプラットフォームが独立して存在し、連携はしていません。

また商品と店舗の評価方法については、中国のECは日本より複雑です。
特にタオバオでは、店舗の評価について細かい階級規則を定めています。
その階級により、店舗の売上も左右されます。

セールやキャンペーンの実施も、中国のECは店舗が出店しているプラットフォーム単位で行われる事が多く、店舗単独での実施は少なめです。

最後に

ここまで全7回にわたり、中国ECについてご紹介して参りました。
代表的な中国ECの情報や日本のECには無い独自の特徴が、今後の越境EC展開へのヒントとなれば幸いです。
新たなビジネスチャンスのきっかけとなるよう、これからもワサビの海外EC調査部は有益な情報をお届けして参ります。

どうぞお楽しみに。

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