コラム

【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.36】ヨーロッパ編 ー イギリス

コラム海外EC調査部2024-08-20

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
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1万軒超のチャリティショップを有する世界随一のリユース大国イギリス

皆さんご存じ、ヨーロッパ北部の島国・イギリス。4つの国家からなる連合王国であり、その正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」です。今回は「イングランド」に位置するロンドンを中心に訪問しました。

歴史とカルチャーが交差する街ロンドン

夕日のタワーブリッジ
夕日のタワーブリッジ

ロンドン・スタンステッド空港へ降り立ってまず驚いたのは、建造物がとにかく大きいこと。日本でも有名な観光名所である「エリザベスタワー(通称ビッグ・ベン)」やテムズ川にかかる「タワーブリッジ」、「セント・パンクラス駅」等々、ただ巨大なだけでなく、その装飾の美しさや厳かさもまた見もの。さまざまな建築物のたたずまいから、ロンドンという街の歴史の奥深さを感じさせられました。

人気作品「ハリー・ポッター」シリーズにも登場する「キングス・クロス駅」は大勢の観光客で賑わっていました。駅構内には作中に登場する「9と4分の3番線」にあやかった撮影スポットやギフトショップも設けられていて、日本のサブカルチャーファンがしばしば行っている「聖地巡礼(ロケ地めぐり)」を彷彿とさせられます。コンテンツビジネスはヨーロッパでも盛んなようですね。

チャリティショップで働く目的 やりがいやスキルアップも

イギリスで人気となっているものがもうひとつあります。それがチャリティ系リユースショップです。人気というと少々語弊があるかもしれませんが、この国にはなんと1万軒を超えるチャリティショップが営業しています。実はイギリスというのは、世界でも屈指のチャリティ大国にしてリユース大国なんです。

ウソだと思われる方は、ロンドンの北部にあるカムデンタウンや北東のイズリントンを散歩してみてください。通りのあちらこちらに、チャリティを行っているリユースショップやリサイクルショップを見かけることができます。

こういったチャリティショップで働いている人々の多くはボランティアです。彼らは給与こそ受け取っていませんが、そもそも目的が「お小遣い稼ぎ」ではありません。接客スキルの習得や友達づくり、あるいはシンプルに「困っている人々を何らかの形で助けたい」等、それぞれ違った目的で参加しています。

しかしながら、「誰かを助けるために無償でアクションを起こす」ということに対して抵抗を感じない、むしろやりがいを求めているという方がたくさんいるのは間違いないでしょう。

これはヨーロッパの他の国々もそうなのですが、イギリスではチャリティ精神や意義について小さな子供のころから学校でしっかり教育しています。ただ教室で知識を教えるだけではなく、遊びも交えたさまざまな関連イベントに参加させ、楽しませながらその大事さを伝えていきます。

その結果として、自分たちの生活にとってチャリティは非常に身近であり、積極的に参加すべきものだという意識を多くの人々が持っているのだそうです。

街中で見かけたチャリティ系リユースショップの数々
街中で見かけたチャリティ系リユースショップの数々

筆者紹介

株式会社ワサビ 
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)

1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中。

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