【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.47 アメリカ(ロサンゼルス)編3
お知らせコラム海外リユース探訪記2025-01-07
この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。
ロサンゼルス(L.A.)にはアメリカ最大の日本人街「リトル・トーキョー」があり、最近は日系の企業も進出してにぎわいを見せています。
サブカル特化のリユース市場
米最大の日本人街リトル・トーキョー
サブカル文化の聖地 リトル・アキハバラ
リトル・トーキョーで特に勢いがあるのが「リトル・アキハバラ」というモールにあり、5店舗のサブカル系リユースショップを展開している「HOBBY SHOP JUNGLE」です。取り扱い商材は、フィギュアにトレーディングカード、プラモデルやコスプレグッズ、レトロゲーム、カプセルトイ等、まさに小さな秋葉原!
リトル・アキハバラと呼ばれるショッピングモール
特筆したいのは、扱っている品物に対し並々ならぬ熱意です。たとえば、フィギュアがメイン商材の店舗では、ライセンスを取得して開発したオリジナルデザインのへドラ(ゴジラに登場した怪獣)を販売。ゴジラフリークを中心に多数のオーダーを獲得したとのこと。
一番「えええっ!?」と驚かされたのが、ハリウッドスターのニコラス・ケイジが常連で、しょっちゅう怪獣フィギュアを買いに来るというお話。お店でばったり遭遇したらとんでもなくびっくりしちゃいそうですね!
オーナーである塩田さんの話ぶりには、売れるからというだけでなく「好きだから」という熱さがこもっており、こうしたサブカルに関連したリユースビジネスを楽しんでやっておられるんだなと感じました。
リユースビジネス着想の新アイデアショップ
「HOBBY SHOP JUNGLE」の塩田さんからは、他にもこんなお話を聞けました。当時「ファミコン」や「スーパーファミコン」は実はアメリカでは販売されていなかったそうで、日本国外未販売のソフトも多いそうです。レトロゲームをメインに置いている店舗でそういったものを販売すると、モノによっては日本の中古価格の20倍で売れることもあるのだとか!
さらに、最近はアメリカでもコスプレイヤーが増えていますが、専用のメイク用品がそれまで米国内では売られておらず、自社ブランドのオリジナル品を販売すると人気商品になったとのこと。サブカル文化愛が成せるチャンスの掴み方ですね。
また、リトル・トーキョーで見かけたユニークなアパレルショップが「Popkiller Second」。L.A.を拠点にその名の通り若者向けのポップなファッションブランドを展開しており、日本のアパレルショップともコラボしたことのある人気店です。店の中を見てみると、古着やキャラクター雑貨のみならず、おそらくこの店オリジナルだと思われる、とても独特なデザインの商品が販売されていました。
これは後で知ったことですが、ポップキラーのCEO兼クリエイティブディレクターであるリッキー・タキザワ氏は、かつてL.A.の古着倉庫で働いていた経験があり、そこで出会った数々の古着からインスピレーションを受け、ファッションブランドを立ち上げるに至ったそうです。
リユースビジネスそれ自体が、新たなアイデアを生み出すきっかけになるということもあり得るんですね。
株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中