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【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.50 アラブ首長国連邦編2

お知らせコラム海外リユース探訪記2025-03-13

この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。

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シャルジャの倉庫街でよく見かける「Ukay」は「古着屋」を意味しています。その一つ「Best Ukay Ukay Used clothes UAE」を見学しました。

UAE独特の価値選別課題は人件費と精度のバランス

人件費をかけてもニーズに応える商品選別を

「Best Ukay Ukay Used clothes UAE」倉庫の様子

この倉庫では日本、ドイツやオーストラリアから古着類を輸入しており、特にオーストラリア産のものの量が多いとのことでした。

スタッフの方によれば、この倉庫では需要の高い品を豊富に仕入れているため、お客の期待に応えられるよう、わざわざ費用をかけて三段階の検品を行っているとのことでした。ベールも何色かに分けられており、ある程度、在庫管理や検品に力を入れているというのは確かなようです。

しかしながら、品物が地べたにバラバラに置かれていたり、店舗用の商品の中にもボロボロなものが混じっていました。

少し話題が逸れてしまいますが、案内してくれたのは、英語がとても上手なフィリピン出身の方でした。聞いたところによると、ドバイには多くのフィリピン人が出稼ぎに訪れているのですが、社会的地位が低く、ぞんざいな扱いを受けることも多いのだそうです。こういった問題も無視してはいけません。

見栄っ張りゆえの偽ブランド品需要

後ろの棚はジャンルごとに整理整頓されている

倉庫を訪問する前に、「Best DressUkay」という店舗の方へも足を運んでみました。外から見える形でNIKEのスニーカーがズラリと並べられていましたが、よくよく品を見てみるとかなり雑なニセモノ。少しでもブランドについて知識を持つ方であれば簡単に見破れそうなほどです。

ブランドものだけではなく、ノーブランドの衣類や下着も売られていましたが、下着はなんだか汚れていたような…。倉庫で聞いた話とは裏腹な状況に、本当にしっかりチェックしているのか疑問に思います。

続いて、アパレル街では、「え?それオシャレか!?」と思うほど、日本人から見るとイケてないものもたくさん取り扱われていました。なぜそんなものが売れているのか?理由の一つに、ドバイの人は「派手好き」「見栄っ張り」なところがあるようです。その「見栄を張る」ために、先に挙げたような偽ブランドを身につけている人もいるとのこと。

中東のあたりでも古着のマーケットがある程度形になってきている一方で、日本の古着ならなんでも売れるというわけでは決してなく、ある程度のブランド性や実用性等の「価値」に基づいて商品が選別されている様子が特徴的でした。

しかし、入ってきたものを仕分けするのにも人件費等のコストがかかってしまうわけで、それなら最初から品質の基準が高い品を送ってくれそうな企業や国だけを相手にした方がいい、となるのも当然ではあります。海外経由の古着リユースを成功させるならば、こういった現状をしっかり把握しておかなければなりません。

「Best Dress Ukay」 店頭に陳列されていたスニーカー

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中

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