【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.51 アラブ首長国連邦編3
お知らせコラム海外リユース探訪記2025-03-18
この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。
ドバイでは、日本の中古車が大人気です。シャルジャ周辺は物価の安さもあって(家賃に至ってはドバイの約半分!)たくさんの倉庫が立ち並んでおり、日本車を扱う「中古車街」的なエリアも存在しています。
越境ECの重要基盤世界のビジネスハブ・ドバイ
カーパーツと携帯端末国内大手も中継利用

倉庫の中には解体されたパーツが並ぶ
余談ではありますが、シャルジャの様子はドバイとはまるで正反対であり、道路も塵だらけでガタガタ。海外探訪の際、私は移動手段として配車アプリの「Uber」を利用しているのですが、ドバイからシャルジャまでの移動を依頼すると、勝手に別料金を加算されてしまいました。日本でいう個人タクシーのような車に乗るとぼったくりが多いです。出くわした際には世界の共通語である大阪弁でなんとか値切り交渉を成立させました。とはいえ、ドバイでタクシーを利用する場合は配車アプリの利用がおすすめです。
さて、中古車街についてですが、ここでの人気商品はお察しの通り日本の中古車。しかも、本体だけでなくあらゆるパーツが大人気です!その販売ルートというのがなかなか面白くて、まずは日本で車を半分にカットしてコンテナで運び、ドバイ現地でさらにバラしてボディ、エンジン、ライト、足周りと全てが売れ、結果的に残るパーツがありません。そしてこれらは中東やアフリカへも売られて行きます。
ドバイに集まる品物といえば、スマホやガラケー等の携帯端末も忘れてはいけません。中古スマホといえば、ひと昔前は香港へと輸出されることが多かったのですが、現在はドバイへその役割が移っています。日本からドバイへも輸出が行われており、国内大手企業も数多くそれに関わっています。
輸入スマホの取引が行われているのは、主に旧ドバイと呼ばれるエリアです。ここでは、右を見ても左を向いてもスマホのお店がズラリ。中には「これで本当に電話できるの?」と思うような小さな商品や、日本では見たことのないメーカーの品も売られていました。世界中から集まった端末も、ここから中東地域やアフリカへと広がり繋がっていきます。
ドバイを制すものは越境ECを制す
ドバイ国内ではフェイスブックの「Marketplace」でのリユース品の売買が主流になりつつあります。2025年2月時点で、すでに世界中220以上の国・地域で利用できるようになっているフリマサービスで、他のフリマサイトと違うところは、ローカル内で売買が行われることです。出品されている商品は、自分が住んでいる所から直接取りに行ける範囲のものが表示されるようになっています。ジモティーっぽい仕組みですね。
リユースビジネスにおいて、ドバイは決して無視できない存在だと言ってよいでしょう。古着に限らず、あらゆる分野のリユース品に関しても同様です。
特に、ヨーロッパの国々と輸出入を行う場合、ドバイは物流のハブとして非常に重要であり、ドバイを経由しないやりとりというのは考えられません。ヨーロッパに限らず、アフリカや中国への進出にあたっても同じことが言えます。越境ECでリユースの可能性を広げるにはしっかりとしたベースが必要です。
リユースと言えばワサビ!海外ECと言えばワサビ!を自負するクーボン的には、リユース海外ECで世界と繋がりたい皆さんと、いつかドバイツアーができたらいいなと考えています。ガイドはお任せを。タクシーもしっかり値切ります。

手のひらサイズの携帯電話も販売されていた

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中