【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.56 アメリカ(ニューヨーク)編5
お知らせコラム海外リユース探訪記2025-06-02
この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。
チャリティーショップ「The Salvation Army」。ロサンゼルスでも見かけたショップがニューヨークにもありました。私が訪れた日には「COLORON SALE」という、特定の色の製品が割引になるイベントを実施していました。この日は緑と黄色が半額、ピンク色が一律99セントでした。
目指せ!アメリカンドリーム 生き残る店づくり再考
チャリティショップも盛ん 市内の個性派4店

美大近くに位置する内装の豪華さが目を惹く「beacon`s closet」
パーソンズ美術大学の近くにあった「beacon’s closet」もチャリティー活動を行っていました。売上や販売のできない引取品を、慈善団体を通してウクライナやAIDS治療の支援機関に寄付しているようです。まるで日本の大物歌手が身に着けているようなけばけばしい服だって売られています。美大の学生は個性的な人ばかりだとはよく聞く話ですが、日本でもニューヨークでもそれは同じなのでしょうね。
低所得者層に住宅修理等の支援を行うチャリティーショップ「The Re:shop」。ここでは、パタゴニアやTHE NORTH FACEといった日本でもおなじみのブランド古着が並びます。ほかにも、ジーンズをアップサイクルして作られたハンドバッグ等も売られていました。販売が難しいほど深刻なダメージが残っている古着については、再利用していくのがよい方法ですね。
中古家具を中心に取り扱っていたのが「HOUSING WORKS」というスリフトショップで、低所得者層への住宅支援や医療支援等のチャリティー活動も実施していました。

「The Re:shop」のジーンズをリメイクしたバッグ
セカスト・ニューヨーク 安定感のある店づくり
海外ECを行う場合、その売上の半分はアメリカが占めるといわれており、「セカンドストリート」も力を入れています。あえて「古着買取」と日本語で書いているあたり、リユースショップとしてのブランド力の高さがうかがえます。
店内を覗いてみたところ、ブランドアパレルや装飾品の品ぞろえが充実しており、大勢のお客さんが利用していました。最近ではアメリカでもスニーカーブームということらしく、その方面の商品もしっかりそろっています。陳列のやり方は日本と比べると少々ラフなように思えましたが、それでもカラーごとに場所を分け、入口付近にハイブランド商品を並べる等、販売戦略は適切になされているようです。
いろいろなショップを見て回りましたが、それなりの規模を持った大手やEC事業を行っているショップであれば、バーコード等基本的な手法を用いた管理システム等が導入されてはいるようでした。それでも日本のリユースショップに比べれば商品管理は全体的にやや甘めといった印象です。商品管理やシステム化の面で差をつけることができれば、日本から進出しても十分競うことができるのではないでしょうか。
「ニューヨークで成功した日本人」というアメリカンドリームの実現は、あながち夢物語ではないのかもしれません。

ショーウィンドーには日本語で「古着買取」

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中