【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.61 インド編5
お知らせコラム海外リユース探訪記2025-08-13
この連載は、世界を股にかけた循環型社会を作るために、
弊社代表の大久保が見てきた海外のリユース情報や旅行記をお届けするコラムです。
最新の連載はリユース経済新聞の紙面で読むことができます。
インドの旅の締めくくりに、バンガロールで開催された「World Association of Overseas Japanese Entrepreneu(WAOJE)」のグローバル・フォーラムに参加しました。
世界中の実業家たちが集まり、インド市場やサステナブルビジネスについて意見交換を行うイベントです。
インド市場における
日本リユース企業の役目と可能性
国際イベントでインド市場と
サステナブルを考察

壇上では、日本からやってきたベンチャー企業の経営者たちが、
インドでのビジネス展開事例や、サプライチェーン構築のリアルを語りました。
特に注目されたのは、インドでのスタートアップ投資、金融やインバウンド、そして海外起業での実績報告でした。
イベントに参加し、抱いていた問題意識以上に、モノの販売をはじめ、
ローカライズ、品質管理、カスタマー対応、アフター対応まで一気通貫で提供する「仕組みの提供」、
そして「モノに宿る想いを大切にする」という日本的精神性がインドで必要とされていることが分かりました。
WAOJEのような越境コミュニティは、単なる人的ネットワークに留まらず、
「国境を越えて、思想と仕組みを循環させるエンジン」なのだと強く実感しました。
そして、日本のリユース事業者は、このグローバルな流れに加わるべきだと思います。
「信頼品質」「整備・検品技術」「カスタマー対応」は世界中で「安心の代名詞」として機能するでしょう。
特にインドのように成長途上にある巨大市場では、未整備な部分を一気にキャッチアップする〝インフラとしての思想〟が求められています。
「信頼」をブランド力に
循環型社会を生き残る
インドは制度的にはリユース品の輸入を制限しつつも、
現地では非公式な流通やCtoC市場が発展しているという二面性を持ちます。
制度を正しく理解し、現地企業やNGOと連携した合法的・倫理的ビジネスモデルを構築することが、
日本企業に求められています。
特に家電・IT機器(スマホ等)は、法的なハードルを乗り越えることができれば、
再生流通事業として大きなビジネス機会が見込めます。
現地制度を理解し、それに準拠した整備・検品体制を敷くことができれば、
日本の品質・ブランド力・真贋精度は大きなアドバンテージであり、インドでも必ず浸透するはずです。
これからの10年、世界は確実に「循環型社会」へと舵を切っていくでしょう。
大量生産・大量消費からの脱却は不可逆の流れです。
その先頭に立つのは、既存の市場に満足せず、世界のリアルに飛び込み、
共に創る意思を持った現場のプレイヤーたちです。
いま、日本のリユースがインドで果たせる役割は大きいといえます。
そして、5年後・10年後に向けて、この国の未来の〝循環型経済〟に貢献できる事業者こそが、
次のグローバル標準となるでしょう。

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中。