【クーボンの海外リユース探訪記】Vol.69 オランダ王国編2
お知らせコラム海外リユース探訪記2025-12-14
オランダの都市のひとつロッテルダムには「ロッテルダム港」という巨大な貿易港があり、通称「ユーロポート」と呼ばれ、EU諸国の玄関口として重要な役割を担っています。
貿易大国オランダ、リユースも牽引
助成制度と国民気質が育むユニーク店

「Vintage Vibes」の店頭の様子。車道を商品が埋め尽くしている
ユニークな点は、恵まれた海運的な立地の良さを活かし、海外から輸入した製品をそのまま他国へ輸出する「中継貿易(再輸出)」を頻繁に行っていること。17世紀より欧州諸国の貿易を繋ぐ役として繁栄してきた歴史があり、EU体制が続く現代であってもその状況は続いています。
リユースショップの
意外な珍品・高額品
盛んなのは貿易だけではありません。中古品の再利用に携わる事業を展開することで助成金が受けとれる制度があり、リサイクルやリユース店を経営しやすい環境です。古いものを長く大事に使うというオランダの人々の気質も相まって、様々な店舗を見かけました。
たとえば、「Vintage Vibes」は個人経営店で、商品管理はやや雑多な感じ。しかしながら、国外へのネット販売もしているようです。品揃えはポケモンのキャップやNIKE製品が目立つぐらいで、ノーブランド品が多めでした。路上にも商品を陳列していたので、法律的にはどうなのかと尋ねてみたところ、かなり安い費用で使用許可が得られるそうです。
レンガ造りの丸っこい店がまえが特徴的な「Penny Lane Vintage Boutique」は若年層向けのリユースアパレルショップ。主にイタリア方面から商品を仕入れているそう。コーチのボロボロでザッと塗って補修している状態のバッグが219ユーロ(2025年12月時点:約3万9000円)。もはや新品が買える価格です。イヴ・サンローランのセーターなども、179ユーロ(同時点:約3万2300円)と、なかなかパンチの効いた価格設定がなされていました。
「ReLove Outlet」は古着だけでなく古書やDVD、アクセサリーの類も取り扱っており、買い取ったものに関しては現金だけでなくストアクレジットでも代金を受け取れたり、商品の交換が行えるシステムが用意されています。着物や甲冑、桐ダンスや屏風など基本的なモノはもちろん、足軽の防具やどこかの社名が入った法被にお寺の鉄鉢等、変わり種のものがたくさん。
特に面白かったのが、キューピー人形までも取り扱われているということ!どうやら人気があるようで、木製の引き出しの中にたくさん陳列されていました。いやあ、世界には何があるかわからないものですね。
個人売買は
アプリが一強
リユースショップを巡っている途中、現地の古着屋の方から、オランダのフリマアプリ事情についてもお話を伺うことができました。
業者がリユースビジネスを行う場合は他国と同様にフェイスブックのマーケットプレイス機能がよく利用されていますが、個人的な売買の場合は、「Vinted」というメルカリ的な立ち位置のフリマアプリが人気とのことです。Vintedはヨーロッパ全土で人気となっており、欧州に関連した越境ECを行うのであれば、トレンドを押さえておきたいですね。

株式会社ワサビ
代表取締役 大久保裕史(オオクボ・ヒロシ)
1975年大阪府出身。リユースのキャリアは前職の小さな古着屋からスタートし、EC興隆期前にノウハウを積み重ね、楽天市場中古部門の初代ショップ・オブ・ザ・イヤーを2年連続受賞。2012年に株式会社ワサビを創業。現在は日本だけでなく海外 × リユース × technologyこの3つに特化した一元管理システムの開発から、日本から世界へとワールドワイドなネットワークでマーケットを拡大中
