なぜ海外で日本のリユース品は人気を集めるのか?個人や企業の販売方法も解説
コラム2024-07-23
2015年、国連サミットでのSDGs(持続可能な開発目標)の採択以来、世界的に環境意識が高まり、持続可能な選択肢としてリユースやリサイクル品の需要が増加しています。
そのような状況下で日本のリユース品においては、特にアジア地域や一部の発展途上国を中心に世界的に注目を集めています。
目次
なぜ日本のリユース品が海外で人気なのか
海外の日本のリユース品の人気の理由には、文化的な背景や日本製品の品質など、大きく以下の4つの要素があります。
日本製製品の品質の高さ
一般的に、日本製製品は高品質で耐久性があり、リユース品であっても状態が保たれていると言うイメージが根付いています。
特に家電や電子機器・楽器などは定期的なメンテナンスを受けているため、保存状態が良く、長期間使える状態が維持されているのです。
そのため、リユース品であっても製品に対する評価が高くなるのです。
コストパフォーマンス
コレクターズアイテムやヴィンテージ商品を除き、リユース品は新品を購入するよりも安く購入することができます。新品でなくとも高品質で安ければリユース品を買い求める、こういった意識は日本でも海外でも同じです。
日本独自の文化であるアニメ・漫画・ゲーム類の商品が多く扱われていること
日本発のアニメやゲームは世界的な人気作も多く、発売される関連商品はコレクターズアイテムとして世界的な需要があります。
スタジオジブリ作品、「ナルト」「ドラゴンボール」などのシリーズは世界中で愛され広く浸透しています。
また近年は最新のアニメやゲームも多言語展開と配信サービスにより、日本国内のメディア展開と時差無く世界中で視聴できます。
そのため、日本国内で人気のマンガ・フィギュア・コスプレ衣装・Blu-ray/DVDが、同時に世界でも買い求められるようになりました。
持続可能な社会を目指し「リユース品を購入する」選択肢としての需要
環境問題に対する意識が高まり、リユース品の購入はエコフレンドリーな選択として評価されています。
また近年では、有名ブランドやデザイナー、海外セレブがサステナビリティをテーマにしたコレクションやキャンペーンを展開し、リユース品の購買を推奨しています。
リユース品を購入し日常に取り入れる行動のイメージ向上が進み、特に若い世代に支持を集めています。
日本と海外、リユース品への意識の違い
日本国内でもSDGsが浸透してきたとは言え、海外と比べるとリユース品購入に対する意識には、まだまだ違いがあります。
日本でもリユース品に対する抵抗感は徐々に薄れてきたものの、新品を好む傾向が強くあります。
一方、海外、特にヨーロッパ諸国などでは、リユース品の利用が日常的に浸透しています。
当然リユース品は安価であるという経済的な理由もありますが、サスティナビリティ「持続可能性」という観点から、リユース品を購入するという行動が選択肢として備わっているのです。
日本人に根強い新品志向
文化的な背景としては、日本では新品志向が強い傾向があります。
新品を持つことをステータスと考える国民性とでも言うべきか、物の状態に対するこだわりがあるようです。
また日用品や衣類など、使う頻度の高い物や肌に触れる製品に関しては、抵抗感を持つ人も多いようです。
ただ環境問題に対する意識が高まり、エコやリサイクルを推進する動きがあるのは日本国内でも同じで、特に若い世代に関してはリユース品に対する抵抗感が減少していると言われています。
日本の先を行く、海外のリユース市場
特に西洋諸国では、サステナビリティの観点からリユース品の利用が既に一般的です。
中古マーケットやフリーマーケットも広く普及しており、個人同士でのリユース品のやり取りも日常の一部です。
そのため、リユース品に対する抵抗感が少なく、環境保護への意識が高まってからは、リユース品を選ぶことが「エシカルな選択」として一つの評価基準にもなっています。
またヨーロッパなどではヴィンテージアイテムが人気を集めていて、ファッションの一部として受け入れられています。
地域別で見る、人気の日本のリユース品
日本のリユース品と言っても、製品カテゴリや扱われる価格は様々です。
海外でも地域により、経済的・文化的な理由から重要視されるポイントが異なります。
東南アジア、アメリカ、ヨーロッパで人気の傾向と代表的な例をご紹介します。
電子機器の性能が評価される東南アジアのリユース市場
日本国内で使用された中古車やバイクは東南アジア諸国で非常に人気があります。
冷蔵庫や洗濯機、電子レンジなどの中古家電製品の需要やスマートフォン・タブレットなども性能と耐久性水準の高さから高く評価されています。
カメラやレンズ工具類なども、愛好家からプロフェッショナルな層にまで広く好評です。
ブランド品需要の高いアメリカのリユース市場
アメリカでは、日本のブランドリユース品は状態が良く、商品レパートリーも豊富で好評です。
人気のある日本のリユース品の例として、ルイ・ヴィトン、グッチ、ナイキなどが挙げられます。
またトヨタや日産などの日本車やカー用品、ヴィンテージスタイルの洋服なども人気です。
ヴィンテージ・デザイン性を評価するヨーロッパのリユース市場
先ほどもご紹介した通り、ヨーロッパでは「ヴィンテージ」や「アンティーク」の文化が根付いているため、日本のリユース品においても品質とデザインが評価されています。
ヴィンテージファッション、デザイン性のある家庭用品や陶器も人気です。
また東南アジアやアメリカと同じく、日本製の中古車や家電製品は品質と耐久性などから信頼が高く、広く受け入れられています。
個人で海外へリユース品を販売するには
個人で海外へリユース品を販売する場合には、事前のリサーチと計画がとても重要です。
どの国や地域でどんな需要があるのかを調べ、競合他社の価格や販売戦略を把握します。
次に販売するプラットフォームを選びます。
日本から出品でき、海外へ販売することのできる、例えばeBayやEtsy、Amazonなどの海外ECを利用したり、自らオンラインストアを開設するなどの方法もあります。
プラットフォームが決まったら、次は商品の準備です。
リユース品の場合は新品と比べて特に、品質や商品の状態を購入希望者へ詳細に伝える必要があり、写真の撮影、文章の説明、販売したい地域の言語へ翻訳などの工程を踏み、価格の設定を行います。
日本のリユース企業・リサイクルショップが海外へ販売するには
リユース業者・リサイクルショップが海外へ販売する方法は、大きく分けると以下の4つになります。
オンラインマーケットプレイスを利用する
個人で販売する方法と同じく、国境を越えて利用されているオンラインマーケットプレイスを活用することで、海外へ販売することができます。
自社サイトを多言語化し、国際配送の整備を行う
自社で運営しているECサイトがある場合には、多言語対応を行い、海外からの購入に対応するという方法もあります。この場合には、国際配送の設定や各国の税関手続きについても社内で充分な調査と配慮する必要があります。
海外のリユース業者やパートナーと提携する
販売したい現地のリユース業者やリサイクルショップとパートナーシップを結び、そのルートを通じてリユース品を販売する方法です。現地の市場に関する知識やネットワークを活用できます。
ただし、関係の構築には市場調査やアプローチ、現地でのコミュニケーションなど、労力と時間を要します。
海外の展示会やマーケットに参加する
国際展示会や海外のマーケットに出展し、バイヤーと直接接触する機会を作ります。例えば、香港やアメリカで開催されるリサイクル・リユース関連の展示会に参加するなど、現地へ赴き人脈を築きます。
個人での販売方法にある海外ECを使用するほか、自社サイトの運用方法を変えたり、海外で事業のパートナーを探すなど、事業の実績や企業としての信頼度を活かす方法もあります。
いずれにしても、事前のマーケティングが極めて重要になります。
海外へ効率的にリユース品を販売するなら
海外へのリユース品の販売には、日本語から多言語への翻訳や登録出品作業の手間、リユース品ならではの1点ものの在庫管理など、ハードルが数多く存在します。
一括EC管理システムWASABI SWITCH(ワサビスイッチ)は、商品情報の翻訳から複数の海外ECモールへ一括出品、受注、買取管理・在庫連携まで可能な中古品業者特化型のECショップ一元管理システムです。
WASABI SWITCH公式サイトでは、連携している国内・海外ECのモール・カートもご紹介しています。
海外へリユース品の販売をお考えの方は、お気軽にご相談ください。