海外リユース探訪記

【クーボンの海外リユース探訪記 Vol.21】アジア編ー 韓国

海外リユース探訪記2024-01-13

LINEの生みの親「NAVER」 リユース市場でも存在感

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2023年の6月はじめから5日間、韓国を視察してきました。リユース市場の規模はそれほど大きくはない印象です。日本と比べると10分の1といったところでしょうか。ただ、中には大阪や東京の繁華街でもやっていけるぐらいオシャレなリユースショップもありました。フリーマーケットの熱気も楽しいものでしたね。

サムスン電子やLGエレクトロニクスなど、世界規模での活躍がめざましい韓国企業ですが、「NAVER(ネイバー)」もまた底知れぬ実力を秘めた多国籍企業。日本では「LINE」を生み出した会社として有名ですが、実は韓国ではポータルサイトやECの最大手、その他AIや電子決済まで手がける巨大IT法人として、人々の生活になくてはならない存在となっています。

ネイバーでは、ロボットテクノロジーに対してかなりの力を入れています。なにしろ、「1784」という新社屋を建て、ロボット開発と試験のための巨大実験施設にしてしまったほどです。

ロボットが出前!?

ネイバーはロボットテクノロジーに注力。オフィス内をロボットがうろうろしている

「1784」ではビルの中をゴミ箱のような形をした、かわいらしいロボットがうろうろ。何をしてくれるのかというと、注文したスタバのコーヒーをオフィスまで出前してくれます。どうやってロボットが階上や階下へ行くのかと疑問に思いましたが、なんと!専用のエレベーターが設けられていたのです!これに乗るためにロボット同士が順番待ちをしている光景は、何とも言えないほほえましさを感じました。

その他、ネイバーを視察して感じたのは、とにかくテクノロジーに対して投資を惜しまないこと。たとえば、アプリの動作テストのためだけに世界各国からあらゆるスマホの機種を専門店顔負けレベルで常備、いつどのような環境でもテストが行えるよう万全の体制が整えられていました。技術研鑽への惜しみない注力がこの企業の成長を支えているのでしょう。

ポッシュマークを買収

さらに、ネイバーはリユース方面でもどんどん存在感を高めています。日本でも2020年12月より国内でリリースされた「ヴィンテージ・シティ」というオンラインストアが注目されていますが、この運営元がネイバーだというのは意外と知られていないようです。

複数店舗を跨いだ横断検索や実店舗在庫の検索等、買う側にとって便利な機能がたくさん実装されており、販売側にとってもそれは同様。ネイバー発のアプリである「MySmartStore」と連携させることで、シンプルかつ集客効果の高いストアサイトを容易に作成できます。さらに、インスタからタグや画像の連動を行える機能に加え、レビュー内容やアクセス数、売上を外部ソフトなしで管理可能な機能が実装されており、もはや販売側として導入しない理由が思い浮かばないほどです。

また、ネイバーは2023年1月、北米版「メルカリ」的存在であるリユースECプラットフォーム「ポッシュマーク」をおよそ12億ドルで買収することに成功し、北米市場へ進出。今後は世界規模で、CtoC市場への参入を積極的に行っていくことが予想されます。日本でも、ネイバーの存在感はどんどん高まっていくことでしょう。

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